ITやコンピューティングテクノロジーで最近、急速に研究開発の進むAI(Artificial Intelligence:人工知能)。画像を分析して「何の画像か」分類したり、人の話し声を聴いて適切に応答したりといったカタチで実用化されてきているが、人類を幸福にするのか。それと不幸という奈落へ突き落すのか。
ここにきてAI論議が盛り上がってきているが、その最たる例がAIが「ヒトの仕事を奪うのではないか」という懸念だ。実際に、AIのダークサイドの危険を指摘する声も、世界的な識者から出てきている。
例えば、イギリスの理論物理学者として知られるスティーブン・ホーキング博士、米・アップルを故スティーブ・ジョブズと共に創業したスティーブ・ウォズニアック氏、電気自動車メーカーであるテスラモーターズや、ロケット打ち上げ事業を行うスペースXを立ち上げたイーロン・マスク氏など多数の科学者・実業家がAIに対する懸念を表明する公開書簡を国連に提出した。そのリスクもファンタジーでは決してないのだ。
過去のSF作品でもコンピュータが自らの意思を持ち、人間を管理する社会がさまざまに、かつて、描かれてきた。そうしたAIの危機は、われわれの職業生活にも多大な影響を及ぼし始めている。
「AIは人の仕事を奪ってしまうのか?」
未来学者であるレイ・カーツワイル氏らが提唱する「シンギュラリティ」によれば、テクノロジーの進歩によって、「人類を超える知性」が生まれる時が2045年頃に到来するという。この「人類を超える知性」、最も期待を集めているのが高度なAIだ。