予測志向型eコマース決済のKlarna(クラーナ)

Klarnaは2005年、ストックホルム商科大学の学生3人が創設した、Web/モバイル向け電子決済アプリケーションサービス「Klarna Checkout」を提供するFinTech企業だ。2014年には、総額1億2500万米ドルの出資を集めている。

メールアドレスと配送先住所を登録すれば、クレジットカード番号やパスワードを入力しなくてもサービスが利用できる。高度なアルゴリズム機能により、顧客の与信や購買履歴を分析しながら、ワンクリック購入と不正検知を同時に実現する仕組みを備えており、ユーザーの入金確認前に発送することも可能だ。欧州に加えて、2015年より「Overstock.com」と提携して米国市場に本格参入している。


EMV対応カードリーダーを無料配布したiZettle(アイゼトル)

iZettleは、2010年、ストックホルム商科大学出身の起業家ヤコブ・ドゥ・イェール氏とマグナス・ニルソン氏が共同創設した、スマートフォン/タブレット向け決済サービスを提供するFinTech企業だ。2014年には、総額5500万米ドルの出資を集めている。

同社はEMV仕様準拠のICカードとPIN入力に対応するカードリーダーを無料で加盟店に配布したことで話題になった。2014年1月からは、開発者向けにSDKの提供を開始している。主要マーケットの欧州域内に加え、、2013年より、メキシコとブラジルに進出している。


オンラインバンキング決済のTrustly(トラストリー)

Trustlyは、2008年、カール・ウィルソン氏、ルーカス・グラット氏、ジョエル・ヤコブセン氏が共同創設した、オンラインバンキング決済サービスを提供するFinTech企業だ。2014年には、総額2880万米ドルの出資を集めている。銀行口座があらゆる金融取引の心臓部であるというビジョンに基づき、モバイル端末による越境電子商取引のために、セキュアで使いやすいオンライン決済機能を提供している。

Trustlyは、スウェーデン金融監督庁の登録決済機関であり、2014年には、「Deloitte Sweden Technology Fast 50」で、最も成長の早い技術企業の1社として選定された。

キャッシュレス社会に不可欠な電子決済サービスで欧州をリードするスウェーデンは、今後、P2Pレンディング、暗号通貨/ブロックチェーンなど、新領域のFinTechイノベーションでも注目され続けるだろう。

笹原 英司
宮崎県出身、千葉大学大学院医学薬学府博士課程修了(医薬学博士)。デジタルマーケティング全般(B2B/B2C)および健康医療/介護福祉/ライフサイエンス業界のガバナンス/リスク管理関連調査研究/コンサルティング実績を有し、クラウドセキュリティアライアンス、在日米国商工会議所などで、Health-Techスタートアップに対するメンタリング活動を行っている。

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