杉文と起業家の共通点

現代の起業においてリーダーに必要としてあげられるだろう3つの大きな資質は、行動力、問題解決能力、前向きなポジティブさ(自分だけではなく周りの人も明るく元気にで笑顔にできる)だ。リーダーはビジョンを掲げ、それを実現するための強い意思を皆に示して事業を推し進めることが役割だ。だが役割が与えられるのはリーダーだけではなく、その他の社員やスタッフなど、関係者にもそれぞれ役割がある。

その中でも、リーダーを身近でサポートする役割の幹事役が重要だ。幹事役はヒト・モノ・金を仕切りるとともに、関係する人々を結びつけて活性化し、事業をよりよく進めていく(飲み会でも幹事の仕切り次第で楽しくもつまらなくもなるのと一緒だ)。

ドラマでは杉文は「人と人とを出会わせる不思議な力を持つ女性」として描かれていた。兄の寅次郎(吉田松陰)と小田村伊之助の出会いを始め、松下村塾の塾生を自分で呼びかけたり、吉田松陰と久坂玄瑞の手紙のやり取りをするなど、激動の時代の志士たちを松下村塾という場に集め、大きな目的に向かっていく志士同士を出会わせ繋ぐ役割を担った。杉文の場合はその性格もさることながら、兄・吉田松陰のビジョンを活性化し仕切る手腕も高かった。

これは現代の起業にも通じる。「松下村塾」を起こすことは起業、リーダーは吉田松陰、塾生を繋ぎ事業を活性化するのは幹事役の杉文、と置き換えてみることができる。起業して大きな変革やブレイクスルーを実現するためには、異なる能力や個性を持つメンバーを結びつけることがより大きな成果を達成する(時代を動かす志士たちを育てる)ために重要だといえる。

「幕末男子の育て方」

NHKが「花燃ゆ」を「幕末男子の育て方」というキャッチフレーズでプロモーションしたことは、当初は疑問視する声が多かった。

だが、ドラマを見ていれば、杉文はまさに、「幕末から明治維新という激動の時代を動かす志士たち」である幕末男子を結びつけて「育てた」のだ。歴史に名を残さなくとも、志士を「育てる」という大事業を起業して動かす上で、「幹事役」として果たした役割の重要性はとても大きかったと言うことができるだろう。(ZUU online 編集部)

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