国際連合開発計画(UNCP)が毎年発表する『人間開発レポート(HDR)』内の指数の1つである『人間開発指数』が発表され、日本は20位であることが分かった。

2015年版の『人間開発指数』は、3つの領域(「健康的で長命な生活」「知識へのアクセス」「生活水準」)における人間の長期的な開発を測定する目的で、平均寿命、教育、所得の統計に基づいて作成されている。

評価対象となったの世界188 カ国の公平な評価を行うために、「平均寿命」の測定には国連人口区分(United Nations Population Division)のデータを利用。

「知識レベル」の測定には、国連教育科学文化機関(UNESCO)のデータから、各国の25歳以上の成人が生涯を通して受けた教育年数や義務教育の総年数を割り出し、「生活水準」には2011年の国民総所得(GNI)が評価の採用されている。

まず上位10カ国を見てみよう。

ランキング(上位10カ国) 欧州勢が多い

1位 ノルウェー
2位 オーストリア
3位 スイス
4位 デンマーク
5位 オランダ
6位 ドイツ
6位 アイルランド
8位 アメリカ
9位 カナダ
9位 ニュージーランド

日本、韓国、中国について同レポートによると以下のように評価されている。

日本20位

1980年から2014年にかけて、日本のHDI指数は0.769から0.891まで上昇しており、平均して毎年0.43%上昇しているということになる。

また日本の平均寿命は14年間で7.3%(現在83.5歳)、25歳以上の成人が生涯に受けた教育年数は2.8%、5歳児が生涯受けると予想される教育年数は2.1%伸びを見せている。

教育への支出は国内総生産(GDP)の3.8%。小学校、中高教育(97.2%)への就学率はともに100%を上回る結果が出たが、第3期教育は61.5%まで減少する。国民総所得(GDI)、1人当たりの国内総生産(GDP)はともに日中韓3カ国中トップ。

韓国17位

平均寿命は81.9歳の韓国だが、男女の死亡率の差(93%と38%)が非常に大きく開いているのに驚かされる。また結核による死亡率も5.4%と3カ国中最も高い。

教育への支出は国内総生産(GDP)の4.9%。幼稚園、小学校への就学率はともに100%を上回る結果が出ており、中高教育(97.2%)や第3期教育(98.4%)を受けている国民の割合も最高基準に近い。

中国90位

総合スコアは0.727。日本や韓国と比較して、全体的にスコアが低い。平均寿命は75.8歳。男女の死亡率の差は左程大きくないが、乳児や5歳以下の子供の死亡率がともに10%以上と非常に高い。

小学校への就学率は127.9%と日本や韓国をさらに上回る結果が出たが、中高等教育になると89%に落ち込み、第3期教育への進学率はわずか26.7%という結果に。最低でも中等教育を受けた25歳以上の成人は65.3%と、過半数より若干多くなる程度だ。

GDPは日本の3倍、韓国の10倍にも関わらず、1人あたりのGDPは2分の1以下に落ち込んでいる。(ZUU online 編集部)