米利上げ待ち、中国経済の失速、商品先物価格の暴落など、投資家にとって昨年の株式市場は不安定要素で満ちあふれていた。世界のビリオネアを顧客にもつ投資のプロ達は、今年どのような戦略で攻めるのだろうか。
3000億ドルの資産を運用する米シティ・プライベート・バンクのスティーブン・ビーティング氏は、昨年からの市場の混乱が今年も継続すると予想。原油や金といった高リスク商品には手を出さず、「リスクを最低限に抑えること」が重要だという。
世界株式の保有を5.5%から3.5%にまで削ったシティ・バンクは、リスク資産を絞り込んだことにより、「利上げが米国債にプラス効果をもたらす」とポジティブに受け止めている。
アジアの富裕層はホテルチェーンなどに興味示す
「ここ数年、万人向けではないとされていたヘッジファンドに興味を示す顧客が増えている」ことを指摘するのは、UBSウェルス・マネージメントのチーフ・インベストメント・オフィサー、サイモン・スマイル氏だ。
UBSの顧客に最も人気の高い不動産投資については、最裕福層の顧客は単独買い、裕福層の顧客は不動産投資クラブなどを通しての取引、一般層の顧客はプライベートなアプローチを好む傾向が、今年も継続すると予想。アジアの最裕福層はホテルチェーンなど欧州のトロフィー・アセットに興味を示しているという。
ビーティング氏は非流動性資産に注意を促すと同時に、確実にリターンが期待できるオープンエンド型投資を推奨。昨年10%の上昇を見せたユーロが今年は12%値下がりすると予測されていることを例に挙げ、「四半期サイクルではなく、年間を通した長期的な投資戦略を」とアドバイスしている。(ZUU online 編集部)
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