(写真=PIXTA)
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いよいよ今年から「ジュニアNISA(未成年者少額投資非課税制度)」がスタートした。ジュニアNISAは未成年者が年間80万円の資金を5年(合計400万円)の間は非課税で運用できる制度だ。本来は配当金等や運用益には20.315%の税率で課税されるため受け取れるのは約80%となるが、ジュニアNISAを活用すれば100%受け取れるのである。

年間80万円までの資金源は主に親や祖父母からの贈与となるだろう。贈与は年間の受取額が110万円までは贈与税がかからない。配当金等や運用益が非課税になる上に、投資資金の税負担も抑えられるのだから大いに活用したい。

目的としては、祖父母からの教育資金贈与、親や祖父母から成人後の結婚資金や住宅資金の贈与、幼いうちから投資や金融経済知識などの金融経済リテラシーを高めるために生きた教材として使うこともできるだろう。

基本的な仕組みは2年前から始まっているNISAと共通する点も多いが、ジュニアNISAは口座開設するのが本人または法定代理人であることや、「払出制限」が設けられているなどいくつか押さえておきたいポイントがある。

口座の作り方と注意したいこと

「ジュニア」とは0歳~毎年1月1日時点で19歳以下の未婚者をいう。ジュニアNISA口座を銀行や証券会社等で開設するところから始まる。実際の株式売買は2016年4月スタートだが、口座開設の手続きは16年1月から始まっている。口座開設の名義人は子どもであるが、手続きは親などの法定代理人がすることになる。

投資できる商品は上場株式、株式投資信託、ETF、REITなどが含まれる一方で、公社債と公社債投資信託は除かれている。

投資できる商品はある程度限られているものの、株式などへの投資は長期的・継続的な投資をすることでリスクが抑えられる傾向にあるし、債券投資も望むならば株式投資信託の中でも債券の割合が多いものを選ぶことで実現できる。

口座開設における注意点として、口座は一つの金融機関でしか開設できず、その後に金融機関を変えることはできない。そのため扱っている商品を知っておくことだ。銀行や信用金庫などでは「株式投資信託」は購入できるが「上場株式・ETF・REITなど」は扱っていない。これらへの投資も希望するのであれば証券会社を通じて口座開設すると良いだろう。

ジュニアNISAならではの3つの特徴

①払出制限
ジュニアNISA口座のお金は18歳(高校3年生の12月31日)まで「払出制限」という受け取れない期間が設けられている。もし払い出した場合には非課税だった配当金等や譲渡益に対して課税されるため注意が必要だ。ただし、例外的に災害等のやむを得ない場合の払い出しには課税されない。

②課税未成年者口座
18歳まで(高校3年生の12月31日まで)は払出制限があるため、配当金等や株式等の売却代金は再投資しなかったとしても引き出せず「課税未成年者口座」という別口座でプールしておくことになる。この口座内でも運用を続けることはできるが配当金等や運用益は課税対象となる。なお、この口座内の資金は払出制限を過ぎると引き出すことができる。

③継続管理勘定
ジュニアNISAの非課税期間は2023年12月末日で終了するが、払出制限のため年齢によっては資金を引き出すことができない。そこで、運用している株式等は売却等をせずに「継続管理勘定」という場所で20歳まで非課税のまま保有することもできる。ちなみにこの勘定へは新たに資金を入れることはできない。

いつ始める?年齢別3つのケース

非課税期間は2023年12月末日で終了する。そのあとはジュニアNISA口座の資金をどのように扱えばよいか、2016年4月からジュニアNISAを始めたとして3つの事例で説明しておきたい。ポイントは「年齢」だ。

①6歳から始める
最初の非課税期間の5年が経つと11歳(2021年4月)である。継続して80万円を上限に非課税投資を続けるか、売却をして一旦は課税未成年者口座へ移しておいてから2023年12月末までに非課税で再投資することもできる。

②14歳から始める
最初の非課税期間の5年が経つと19歳である。このときすでに払出制限を過ぎているため、売却して受け取るか売却せず継続管理勘定で保有できる。

③16歳から始める
最初の非課税期間の5年が経つと21歳である。このときもすでに払出制限を過ぎているため売却して受け取るか、売却せず自分のNISA口座へ移して年間120万円まで非課税投資できる。

ラインアップが出揃った非課税投資

2年前から始まっているNISAは957万人が口座を開設している。成人のおよそ10人に1人がNISA口座を持っている計算だ。将来のお金の不足や社会保障費などの負担が増えることを心配する一方で、利子では殖えないことを理解している人は多い。そのような中ではリスクを認識しつつ各自が努力をすることも必要になっている。

投資への非課税制度は「ジュニアNISA」「NISA」「確定拠出年金」とラインアップされた。もちろんいくら非課税制度が整ってもそれだけでリスクが減るわけではないが、全ての年代で自助努力へ一歩踏み出しやすくなったことは確かである。

このほかにも教育資金贈与信託など各種制度を上手に利用することで、より確実なライフプラン実現へと向かえるだろう。

中谷俊雄 FPオフィスライズ 代表
個人相談、法人の福利厚生メニュー「FP相談室」、各種マネーセミナーを開催、FP技能士資格の取得講座は累積2000時間を超える。著書に『ズバリわかる!FP技能検定3級』(ナツメ社)がある。帯広コア専門学校・札幌学院大学非常勤講師。

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