(写真=リフォーム産業新聞)
(写真=リフォーム産業新聞)

本紙編集部は、2016年のリフォーム市場で流行するであろうトレンドを10のキーワードでまとめた。中古住宅の再生や戸建ての管理など、既存住宅の流通に伴うビジネスや、高齢化、職人不足など社会問題ビジネスが話題を呼びそうだ。

1) ローカルエリア中古再生

「中古住宅を買って、リフォームをして住む」というニーズは年々高まっている。中でも今年注目したいのは、地方での中古住宅流通の盛り上がりだ。都市圏と比べて物件価格が安いので、その分リフォームに費用をかけて自分の好みの住宅をつくり上げるユーザーが増えそうだ。

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2) 戸建て・空き家管理

国内に800万戸超あるとされる「空き家」を活用したビジネスを興す会社が急増している。「空き家対策特別措置法」の施行も、それを後押し。異業種からの参入も増える。

3) エイジングインプレイス

高齢者をターゲットにしたリフォームは、増え続ける。10年後には高齢者の割合が、人口の30%を超え、特に、「住み慣れた地域で快適に年を重ねていく」という「エイジングインプレイス」の考え方が広まっていく。

4) リプレイスメント

設備交換リフォーム=リプレイスメント需要は市場の7割を占め、底堅いニーズがある。2017年予定の消費増税後は、高額リフォームの受注が一層困難になると思われるので、リプレイスメント需要を取り込み、経営の安定化を図ることも必要だ。

5) クイック&イージー

誰でも素早く手軽に取り付けられる「簡単施工」の商品をメーカー各社が続々発売していきそうだ。この背景には、リフォーム業界での慢性的な建築職人の不足がある。

6) エシカルリフォーム

エシカル(ethical)は「道徳、倫理上の」という意味。今後はエシカルな消費が増えていきそうだ。例えば、環境に優しい商品を積極的に購入するといったこと。

7) 外壁改修で資産価値向上

中古住宅の流通が盛んになり、住宅を資産として見る傾向が強まってきた。これを受けて、外装の劣化改善で耐久性や美観を高め、住宅の資産評価を上げようという流れがある。外装専門店や外装のパック商品を用意する会社が出てきている。

8) 環境対策

CO2排出の削減など、環境負荷を低減する取り組みはより当たり前のものになっていく。最近では、PM2.5が話題を呼んだこともあり、空気質をはじめとする住宅内の環境改善に対する関心も高まっている。

9) エネルギー問題

東日本大震災以降、電気料金が3割増となり、今後も引き上げは続くと予測されている。光熱費削減に関するニーズはますます高まる。

10) 営業のオートメーション化

ネット活用が当たり前のものになり、ユーザーは自ら情報を積極的に収集していく。プランや見積もりをユーザー自身が作り、施工してくれる業者を探すというようなビジネスモデルも出てきそうだ。(提供: リフォーム産業新聞 1月05日掲載)

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