政府が実施しているキャッシュレス・ポイント還元事業の影響もあり、キャッシュレス化が進んでいます。しかし、他のキャッシュレス決済方法に比べてデビットカードにはあまりなじみがないという人もいるでしょう。

クレジットカードのキャッシュレス決済とは異なるメリットがあるデビットカードの特徴や決済の仕組みを理解し、賢く利用してみてはいかがでしょうか。

意外に知らない人もいる?!デビットカードとは

デビットカード
(画像=PIXTA)

デビットカードは、一般的に銀行のキャッシュカードでありがなら、クレジットカードのようにショッピングにも利用できるカードとされています。大きく分けて2種類のデビットカードがあり、一つは「J-Debit(ジェイ・デビット)」と呼ばれるもの、もう一つはVISAなどの国際ブランドと提携している「ブランドデビット」と呼ばれるものです。

・J-Debit(ジェイ・デビット)

普段ATMでの現金引き出しなどに利用している銀行口座のキャッシュカードを使用します。レジの支払い時に提示し暗証番号を入力すれば、それで決済完了です。ただし、国内にあるJ-Debitの加盟店でしか利用できません。始まったのは2000年3月と2020時点で20年の歴史があります。

・ブランドデビット

銀行のキャッシュカードにVISAやJCBといったクレジットカードの国際ブランドマークが記載されているのがブランドデビットカードです。例えば、VISAなら銀行がVISAと提携しVISAデビットカードを発行します。これにより、自行および提携銀行のATMで通常のキャッシュカードとして利用できるうえ、国内に限らず世界中のVISA加盟店でのショッピングなどに利用可能になります。

デビットカードとクレジットカードの違いは?

デビットカードはクレジットカードのように利用できますが、両者の間には違いがいくつかあります。最も大きな違いはお金の精算方法。まずはデビットカードの大きな特徴を知っておきましょう。

・デビットカード

デビットカードはいわゆる「即時払い方式」のキャッシュレス決済方法。レジでカードを提示して暗証番号の入力やサイン、タッチ決済などを行うと、基本的にその利用額が即時に口座から引き落とされる仕組みです。支払い回数が1回払いのみでクレジットカードのように分割払いやリボ払いは利用できません。つまり、口座の残高以上には利用できないのがデビットカードの特徴です。

・クレジットカード

クレジットカードは後日指定された日に引き落としとなる「後払い(ポストペイ)方式」です。そのため利用時期と実際にお金が精算される時期が異なります。分割払いやリボ払いなども利用できることも特徴の一つでしょう。

キャッシュレス決済の場合、使いすぎを心配する人も少なくないでしょう。例えば、クレジットカードでは、決済時に口座残高がゼロでも買い物ができてしまいます。そのため、自分の支払い能力を超えて利用してしまう可能性もあります。しかし、デビットカードは決済しようとしても口座残高が足りなければ利用が拒否される仕組みになっています。口座にあるお金以上に使ってしまう心配がないので安心です。

なおクレジットカードには与信枠(利用可能限度額)が設定されていますが、デビットカードは元々口座残高までしか利用できないため、基本的に審査も与信枠もありません。ただし、ATMからキャッシュカードで現金引き出しをするとき1日あたりの引出限度額があるように、ショッピングにも1日あたりの利用限度額が設けられることは覚えておきましょう。

ちなみにクレジットカードではカード会社が与信枠を設定しますが、デビットカードでは自分自身で利用限度額を設定できます。自分のカードの使い方やフィッシング詐欺予防などを想定しながら設定するといいでしょう。

ライフスタイルに合わせて活用したい!デビットカード利用のコツ

2019年10月からの政府のキャッシュレス・ポイント還元制度の開始以降、キャッシュレス決済を利用する消費者は増えています。しかし、デビットカードの認知度は現状ではそれほど高くありません。

2019年に一般社団法人キャッシュレス推進協議会が実施した「キャッシュレス調査の結果について」によると事業期間中の「デビットカードを知らない」という人の回答は23.9%と他のキャッシュレス決済に比べて最も多くなっています。一方クレジットカードを知らない人の割合は2.9%でした。

それでもデビットカードには、クレジットカードにはないメリットがあるのが理解できるでしょう。例えば、審査が不要なことは、口座に現金はあるけれど現状では収入が安定していないという人にとっては大きなメリットです。

クレジットカードと同様に、デビットカードの中にも利用に応じてポイントが付いたりキャッシュバックを受けられるものもあります。クレジットカードに比べて還元率が低いイメージを持つ人もいるかもしれませんが、利用額が大きくなるほど還元率も高まるようにしているケースもあります。

個人事業主ならば経費の支払いをデビットカードに集約することでキャッシュバックが大きくなるなど、効率的な事業運営を期待することもできるでしょう。このようにデビットカードをうまく活用することで自分のライフスタイルに合わせたお金の管理も期待できそうです。

デビットカードのメリットを理解したうえで一度利用を検討してみてはいかがでしょうか。

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