株主優待
(写真=PIXTA)

株式を購入して株主になると、いくつかの特典を手に入れることができる。株主総会への出席や配当を受け取る権利、株主優待もその1つだ。人気外食チェーンの優待割引券やワイシャツの仕立て券、さらには現金に近い感覚で使用できるプリペイドカードが届いたりするので、株主優待を目当てに株式を保有している個人投資家も少なくない様子である。

もらって嬉しい株主優待だが、あくまで主は株式投資であり、注意すべきポイントもいくつかある。準備をおろそかにしたまま手を出して思わぬ後悔を招くことのないよう、この場で整理しておきたい。

そもそも株主優待とは、株主の日頃の支援に対する企業からの謝礼・還元といった意味合いで、毎年1回、あるいは半期に1回といったタイミングで株主に進呈されるものだ。レアケースではあるが、年に4回、四半期ごとに株主優待を贈っている企業もある。

冒頭で少し触れたように、株主優待の内容は企業によって多種多様だ。自社製品やサービス自体、あるいはそれらの優待割引券の提供といったパターンが主流だが、個人投資家の間で特に人気の高いQUOカードを進呈する企業も多い。

では、具体的にどういったところに気をつければいいのか。最低限考慮すべきポイントとして、以下の5つを紹介しよう。

1. 株主優待の権利確定直前には株価が上昇しやすい傾向にある

株主優待特典を得るには、その権利が確定する日 (権利確定日) の4営業日前までにその銘柄を買って株主になる必要がある。だが、直前には他の個人投資家も殺到しがちで、それに伴って株価が上昇しやすい。

そうして上昇した株価は、理論的には権利確定日の翌営業日に株主優待や配当の価値分だけ下落することになる。実際、そういった動きが見られがちだ。このため、権利確定日が迫ってから駆け込みで買うと、せっかく株主優待を得ることができても、すぐに含み損を抱えてしまう恐れがある。

2. 株主優待が突然廃止・変更される場合がある

株主優待は継続的に必ず実施することが約束されたものではなく、企業側の都合で廃止されるケースも少なくない。また、廃止までは至らずとも、優待人気で株主が殺到して、その対応が予算的に厳しくなったなどの理由から、内容を見直すこともある。