東京圏への転入超過が続いている。外国人の転入も増加傾向だ。この状況が続くと住宅コストの上昇につながりやすいため、東京圏で賃貸住宅に住んでいる人にとっては将来的に支出が増加するリスク要因となる。こうしたリスクに備えるためには、早めに資産運用を始め、資産を増やしておくことが重要だ。本記事では、転入超過の状況と初心者におすすめの資産運用の方法を紹介する。

東京圏への転入超過の最新データ

転入超過で「住宅コスト上昇」のリスク ? 資産運用で備えを
(画像=paru / stock.adobe.com)

2025年1月31日、総務省統計局は「住民基本台帳人口移動報告」の2024年の結果を公表した。本報告データからは、東京圏への転入超過の傾向と外国人に限定した東京圏への転入状況などを読み取ることができる。

日本人の東京圏への転入超過数

まず、日本人の東京圏への転入超過数から見てみよう。2024年の転入者数は46万2,388人、転出者数は34万3,051人で転入超過数は11万9,337人だった。過去10年間の数字を見ると、以下のようにどの年も転入超過の状況となっている。

【東京圏への転入超過数推移】

転入超過数
2014年10万9,408人
2015年11万9,357人
2016年11万7,868人
2017年11万9,779人
2018年13万5,600人
2019年14万5,576人
2020年9万8,005人
2021年8万441人
2022年9万4,411人
2023年11万4,802人
2024年11万9,337人

外国人の東京圏への転入超過数 (外国人移動者)

続いて、外国人移動者の状況だ。2024年の転入者数は6万4,037人、転出者数は4万7,531人で、転入超過数は1万6,506人だった。以下が過去10年間の推移だ。2024年は、過去10年間で転入超過数が最も多くなっている。

【外国人の東京圏への転入超過数推移 (外国人移動者) 】

転入超過数
2014年6,640人
2015年8,266人
2016年7,414人
2017年5,751人
2018年4,268人
2019年3,207人
2020年1,238人
2021年1,258人
2022年5,108人
2023年1万1,713人
2024年1万6,506人

転入超過が続くとどうなる ?

東京圏に転入超過が続くと、日本社会にどのような影響があるのだろうか。

地方における人手不足の深刻化

東京圏をはじめ、名古屋圏や大阪圏などの大都市部への人口流入が続くと、地方における人手不足が深刻化する。これにより、地方の過疎化や地域経済の衰退が進み、結果的に大都市部への流入増を助長する可能性がある。

公共交通の混雑度の悪化

もともと人口密度が高い地域にさらに人が集中すると、公共交通の混雑度が一層悪化する可能性がある。加えて、運転手不足が顕著なタクシーも大幅な増車が難しく、将来的には東京圏での移動が今よりも困難になるかもしれない。

住宅コスト上昇の要因に

冒頭で触れたように、転入超過の状況は住宅コストの上昇を招く可能性がある。不動産価格は「需要と供給」の影響を受けるため、人口増によって住宅ニーズが高まれば、賃料や物件価格の上昇圧力につながるだろう。

初心者におすすめの資産運用

こうした住宅コストの上昇リスクに備えるためにも、早い段階で資産運用に取り組むことを検討したい。ただし、一口に資産運用といっても方法はさまざまで、なかには初心者向きではないハイリスク・ハイリターンの投資もある。そこで、ここでは初心者におすすめの資産運用の手法を3つ紹介する。

インデックス型の投資信託

インデックス型の投資信託とは、「代表的な指数」と連動するタイプの投資商品である。指数の動きは多くの銘柄の値動きによって左右されるため、インデックス型の投資信託を保有することで自然と分散投資の効果が得られ、リスクを抑えやすい。

外貨預金

日本円を米ドルやユーロに交換し、外貨で金融機関に預けると、円預金よりも高い金利で安定的に利息を得られる可能性がある。このように、資産を保有し続けることで得られるリターンを「インカムゲイン」と呼び、不動産投資における「家賃収入」をイメージするとわかりやすい。

日本円での定期預金

外貨預金には前述の魅力があるが、「為替レートが円高になると外貨そのものの資産価値が下落する」というデメリットがある。そのため、円高に備えて一定程度は日本円を定期預金で保有しておくのも有効な戦略といえる。2024年3月の日銀のマイナス金利政策解除以降、日本の預金金利は徐々に上昇してきているため、今こそ円預金に注目したい。

将来を見据えて賢明な選択を

住宅コストの上昇に備えて資産運用を始めることは、将来を見据えた賢明な選択といえる。初心者に特におすすめの方法として外貨預金が挙げられるが、為替相場は変動するため、今後円高に動く可能性も考慮する必要がある。そのため、外貨と円をバランスよく組み合わせた預金を活用し、リスクを分散しながら着実に資産を増やすことを検討するとよいだろう。

(提供:大和ネクスト銀行


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