(写真=PIXTA 写真はイメージです)
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ドル・円相場や原油動向などをにらんで東京株式市場が神経質な動きを繰り返している。しかし、2月12日に日経平均株価が1万4952円を付けた後の値固め局面を経て徐々に修復機運が広がっているのも事実。今後、物色の表舞台に躍り出る可能性が出てきたのが政策絡みの「リニア中央新幹線」と「FCV(燃料電池車)」関連の銘柄だ。各種の市場テーマのうち、屈指の材料性とロマンを秘めているほか、安倍政権が夏の参院選に向けて「政策の目玉」としてアピールすることが考えられ、関連銘柄の存在感は強まっていくだろう。リニア関連で調整十分の銭高組 <1811> 、FCV関連では神戸製鋼所 <5406> を特にマークしたい。

政策関連株に再び追い風が強まりそうだ。民主、維新、共産などを指して「こんな無責任な勢力に、負けるわけにはいかない」と13日の自民党大会で強調した安倍総裁。7月の参院選勝利と景気活性化を狙って、政策総動員態勢を敷くことになろう。これと連動して、政府は6月に新たな成長戦略を打ち出す予定。

今後、選挙に向けて訴えていく政策のうち、関連する注目テーマは「リニア」と「FCV」だ。いずれのテーマも、技術的な先進性、経済効果、これまでの安倍政権の取組ぶりを踏まえると、マーケットへのアピール効果は抜群。

例えばリニア。16日の東京マーケットではトンネル工事に強い熊谷組 <1861> が建設株では上昇率トップに立った。これは自民党の「超電導リニアに関する特別委員会」が現在、2045年と予定されている大阪延伸計画の早期前倒しと、全線(東京〜名古屋〜大阪)開業に向けて提言を行う、と一部で報じられたため。同委員会では以前から「21世紀最高水準の技術成果である中央リニア新幹線はアベノミクスが狙う成長産業の育成につながるもの」と主張してきた。

また、安藤ハザマ <1719> は15日、転換社債型新株予約権付社債(CB)で100億円を調達すると発表したが、その調達予定資金のうち32億円を「平成31年(2019年)3月末までにジャンボトンネル掘削機などのトンネル掘削用機械」の取得資金にすると発表したことも新たな思惑をマーケットに呼び込んでいる。リニア中央新幹線をにらんだ動き、という16日付、日本経済新聞の報道に対して、同社のCSR推進部では「当社が発表したものではない。困惑している」と株式新聞の取材に答えたが、リニア関連工事の受注獲得を目指していることは否定していない。

一方、究極のエコカー、FCVの燃料である水素の供給ステーションの大幅増設計画を経済産業省は進めている。水素ステーションの設置では岩谷産業 <8088> がフロントランナーだ。

銭高組、神戸鋼をマーク

主なリニア、FCV関連株のうち、リニア関連で特にマークしたいのは銭高組。業績好調に加え、需給整理も進み、PBR(株価純資産倍率)は15日現在、0.65倍。FCV関連では水素ステーション用の高圧充てん器などの開発実績のある神戸鋼も面白い。ダークホースは加地テック <6391> 。水素ステーション向け水素ガスコンプレッサーを手掛けている。(3月17日株式新聞掲載記事)

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