世界経済フォーラムによる「2016年版国際エネルギー構造パフォーマンス指数(EAPI)」が発表され、日本は「環境への配慮不足が目立つ国」として51位になった。36位にランクインしたシンガポールを除いて、インドネシア(51位)、韓国(55位)、タイ(67位)、中国(94位)など、アジア諸国は軒並み50位以下だ。

上位は「環境に優しい国」として知られる北欧国が独占。欧州の環境クリーン化への努力がうかがわれる結果となった。しかし上位国ですら「完璧なエネルギー構造」を打ち出すというレベルには達しておらず、今後もさらなる改善が求められている。

GDP(国内総生産)上位12カ国から、唯一トップ10入りを果たした国はフランスのみ。ドイツ21位、カナダ30位、米国48位、ロシア52位、オーストリア53位と、主要国がエネルギー・システムでは苦戦している様が浮き彫りになった。

EAPIは国際コンサルティング会社、アクセンチュアの協力のもと、世界126カ国のエネルギー構造を評価したもの。効率と安全のバランスをうまく図りつつ、環境への配慮を怠らないシステムを築くために、各国がどれほどの努力を注いでいるかが採点基準となっている。3つの主要項目(「経済成長と発展」「環境面における持続可能性」「エネルギーへのアクセスと安全性」)をそれぞれ6つのカテゴリーに細分化し、総合ポイントに基づいて順位付けされた。

アクセスと安全性は世界20位の日本 弱点は環境への配慮

「電化率」と「(料理用の)固体燃料の普及率」では首位に輝いた日本。「エネルギーへのアクセスと安全性」では世界20位と高評価を受けている。しかし「環境面における持続可能性」は90位。「代替エネルギー、原子力エネルギー」や「窒素酸化物排出」への評価は100位以下だ。

また資源の乏しさからエネルギーの9割以上を他国からの輸入に依存しているため、「エネルギーの輸入量」は119位。ルクセンブルク(123位)、シンガポール(125位)とともに先進国の輸入3大国に選ばれている。

韓国も日本同様に環境面が弱く、エネルギー輸入に頼っている。しかし「見返り輸入(付帯条件として輸出相手国の製品を輸入する契約)の多様性」は8位と、日本(13位)の一歩先をいっている。

国の規模が功をなしてか、中国は世界で最も見返り輸入先がバラティーに富んでいるようだ。そのほか日本と韓国とともに世界1の「電化率」を誇る。しかし微小粒子状物質(PM2.5)への濃度は世界1高く、一般家庭への固形燃料も普及が行き届いていない(94位)。

「エネルギーの経済効率(消費エネルギーと国内総生産および購買力平価の比較)」や「燃料の輸出、輸入」という観点から3カ国の「経済成長と発展」を比較すると、韓国は56位、日本は62位、中国は85位という評価になっている。

エネルギー構成

20位 ペルー
19位 ハンガリー
18位 クロアチア
17位 アルバニア
16位 英国
15位 スロベニア
14位 ラトビア
13位 コスタリカ
12位 フィンランド
11位 ポルトガル

10位 ウルグアイ
9位 ニュージーランド
8位 コロンビア
7位 スペイン
6位 オーストリア
5位 デンマーク
4位 フランス
3位 スウェーデン
2位 ノルウェー
1位 スイス

(ZUU online 編集部)