格安ロングセラー商品「ガリガリくん」や「あずきバー」が、原料費・円安などコスト増の影響を企業努力ではカバーできず4月からの値上げを発表した。実は久々の値上げとなる商品はこれらだけではない。

「マッサン」効果も及ばず サントリーのウイスキー「角」

年間2億4000万本を販売している井村屋「あずきバー」は4月出荷分から24年ぶりに約16%値上げし、10円アップの70円になる。一足先に値上げを発表していた赤城乳業「ガリガリくん」も4月出荷分から、現在の60円から70円へ約16%の値上げとなる。通常は発表後に批判や反発の声が集中するが、今回は60円という元々の安価が好感されたのか、「よく25年も60円で耐えた」「まだ安い」など好意的な反応も多いという。

味の素 <2802> も円安でコーンパウダーなどの輸入調達コストが上昇しているため「クノール カップスープ」シリーズの29品目の価格を、33年ぶりに4月納品分から約4~8%引き上げる。カゴメ <2811> は昨年のケチャップ・ソースに続き、主力の「基本のトマトソース」など7商品を4月1日から約4~9%値上げする。世界的な需要増でトマトペーストなどの相場が高騰しているためとしている。5月には丸美屋食品工業の「とり釜めしの素」など8品の値上げを控えている。こちらも26年ぶりだ。今まで手軽に使っていた商品が多く、献立を考えるのが悩ましくなるだろう。

サントリーは設備投資などの製造コスト上昇により、「角瓶」など主力商品を4月出荷分より32年ぶりの値上げすることを発表した。「角瓶」(700ml)は、現行より176円引き上げて1590円となる。この他にも「オールド」「ローヤル」「スペシャルリザーブ」などの国産ブランド、「ジムビーム」「ザ・マッカラン」などの輸入ブランドも値上げとなる。

ほかにも市場の反応が大きかった「○○の値上げ」

この他にも市場の影響や反応が大きい商品の値上げも相次いでいる。
日本たばこ産業(JT) <2914> は、主力商品「メビウス(旧マイルドセブン)」などを4月1日から1箱10円(約2%)値上げし、440円とする。消費税増税以外の値上げは1985年の民営後初だ。オリエンタルランド <4661> のテーマパーク入園料も3年連続の値上げにファンから悲鳴が上がった。消費税8%導入前に6200円だったことがだいぶ前だと錯覚してしまう。

昨年は円安も大きな打撃となり、食品を中心にさまざまな商品が値上げラッシュとなったが、この春もそれに追随する様相となっている。今後は生活必需品に加え、マイナス金利導入よる保険料の値上がりや、ここ最近は値上がりに転じているガソリンなどの燃料高も懸念される。消費税の再増税を前に消費者には悩ましい事態が続きそうだ。(ZUU online 編集部)

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