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消費税率が8%になって1ヶ月半が経ちました。まだまだ8%の消費税率に慣れていないところに更なる増税が追い打ちを掛けそうです。消費税率が10%になるという話ではありません。固定資産税・都市計画税の話です。総務省は建築資材の価格や工事費の上昇を踏まえて、住宅家屋の評価額を高く見積もる方針を固めたようです。新築で住宅を購入した人の固定資産税と都市計画税の負担は今までと同様の資材を使っていたとしても、資材高騰のため2015年度からは増税となります。東京都がモデルケースとして挙げた例では評価額が約7%上がることになっています。

なお、既存住宅を保有している人の負担は増えるわけではありませんが、評価額下落のペースが鈍化することで税額が下がりにくくなるという影響がありそうです。ちなみに、固定資産税の税率は原則として評価額の1.4%。都市計画税は0.3%ですが市区町村によって税率は異なります。合計でも原則1.7%と聞くと大した数値ではないと思うかもしれませんが評価額が数百万円規模なので、家計にはボディブローのように聞いてきます。

個人の増税はこれに限ったことではありません。給与所得控除の上限も変わります。現在年収1,500万円が上限とされていましたが、平成28年には1,200万円、平成29年には1,000万円にそれぞれ縮小されます。個人に対する課税強化がじわじわと進行していることは明らかです。固定資産税や急所所得控除の他にも、ゴルフ会員権の損益通算が認められなくなります。相続税における小規模宅地の特例も要件が厳しくなりました。

一方で法人税の実効税率を20%台に引き下げる議論が活発化してきたり、交際費の損金算入の取り扱いが拡大したりと、法人関係の課税は減税がメインとなっています。景気浮揚の観点から法人減税を行っているようであるが、個人の増税を行うのであれば、増税分を上回る所得アップのための政策も同じタイミングで打ち出す必要があると思います。また、個人における経費計上(給与所得控除や特定支出控除という制度はあるが)の範囲をさらに広げ使いやすいものにし、消費を喚起させるのも景気浮揚にはなるのではないかと個人的には考えています。