スイーツ,外食,撤退
(画像=Webサイトより)

米国ノースカロライナで1937年に創業したドーナツチェーン「クリスピー・クリーム・ドーナツ」。日本ではロッテが「クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン」を設立し、2006年12月オープンの「新宿サザンテラス店」で国内初出店。今年で日本上陸10周年を迎えることになるが、このところ閉鎖が相次いでいる。“行列のできるドーナツ店”は大きく戦略の見直しを迫られているようだ。

スタバの来日同様の話題性があった

出店当初からスターバックスの日本登場時同様、アメリカの人気チェーン店の日本初上陸という話題性に加えて、主力商品の「オリジナル・グレーズド」の無料配布サービスや、ドーナツが出来上がる工程を見ることができたり、平日でも待ち時間1時間超えの行列が発生したりといっそうの注目を浴び、「行列のできるドーナツ店」として人気を集めた。

その後、有楽町に2号店、さらに、川口、立川、船橋、渋谷、越谷、川崎。横浜など都内や首都圏での出店を重ねた後、2010年には名古屋や大阪、京都、2011年には博多に出店。さらに地方都市へも出店を重ねるなどして、2015年11月時点で全国に64店舗を展開、国内第2位のドーナツチェーンとして順調に店舗網を拡大していた。

2016年に入って相次ぐ全面撤退

そんなクリスピー・クリーム・ドーナツの店舗拡大戦略が急転したのは2016年に入ってから。1月に岡山市、福岡市から全面撤退、2月には広島県、京都府からも全面撤退。広島県からは進出2年弱での撤退だった。3月に入っても、静岡の新静岡セノバ店に続いて、神田小川町や阿佐ヶ谷、玉川高島屋、大森、亀戸など都内の店舗でも閉店が相次ぎ、4月以降は47店舗で営業。

つまり半年足らずの間に17店舗も減らしたことになる。相次ぐ撤退の原因については、セブン-イレブンを始めとしたコンビニドーナツの台頭や、米国流の甘さの強いテイストが日本では定着しづらいという理由を挙げる声も聞かれるが、決め手となる理由にまでは至っていない。

クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパンの若月貴子副社長はインタビューに答えて、今回の大規模な閉店は、「今後20年、30年と日本の市場で事業を展開していくための判断」だと語っている。

「“流行りもののブランド”として積極的に地方都市にも展開してきた従来型の出店モデルを見直し、一旦、東京、名古屋、大阪の3大都市圏に経営資源を集中させて、新しいモデル作りを進める」方針なのだという。

今後の反転攻勢のカギを握るのは?

新しいモデルづくりを進めた上で、もう一度日本の市場の中で成長を図ったいきたいと若月副社長は語っているが、果たしてクリスピー・クリーム・ドーナツに反転攻勢の道は開けるのか。

商品展開に目を向けてみると、今年2月にゆずや抹茶など和素材を使った日米コラボドーナツを期間限定で発売。日本人の味覚に合わせた独自商品の展開に取り組む姿勢を見せている。また、4月からは初のアイスサンドイッチとなるデザートドーナツ「クールクリスピーサンド」を発売。こちらは近年全米で人気急上昇中の「ドーナツサンドイッチ」をクリスピー・クリーム・ドーナツ風にアレンジしたもの。

今後、この路線で第2弾も予定されているようだ。一方、店舗縮小をすすめる中で、百貨店やショッピング施設での催事出店を活発化させている。

米国本国のクリスピー・クリーム・ドーナツがかつて急速な店舗拡大を図った後、経営悪化により店舗の半数以上を閉鎖、現在は無店舗販売を中心に進めているという歴史もある。

店舗数の縮小・集中と軌を一にして打ち出された“和ドーナツ”と“ドーナツサンドイッチ”といった新商品の展開、そして販売戦略の新機軸。これらが、今後のクリスピー・クリーム・ドーナツの方向性を左右するだろう。(ZUU online 編集部)

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