(写真=PIXTA)
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内閣府が公表している「 平成25年度県民経済計算暫定版(平成28年3月末現在) 」によれば、県民所得が最も多かった東京都の60兆円弱に対し、最も少なかった鳥取県は1兆円強となった。

地域格差の大きさを改めて認識させられる結果だが、今後の方策を考えることが大切ではあるにせよ、まずは実態を捉えておく必要があるはずだ。なお、石川県については算出記録が無かったため、ランキング計算には入れていない。

県民総生産が最も少なかったのは鳥取県

名目の県民総生産を見ると、最も多かったのはやはり東京都で93兆1283億円だった。第2位は大阪府の37兆3150億円で、以下愛知県の35兆4475億円、神奈川県の30兆2185億円、埼玉県の20兆6782億円が続く。

一方最も少なかったのは鳥取県で、1兆7676億円だった。2番目は高知県の2兆2627億円で、以下島根県の2兆3508億円、佐賀県の2兆6811億円、徳島県の2兆9371億円が続いている。

県民所得が最も少なかったのも鳥取県

県民所得が最も多かったのは、東京都の59兆9592億円だった。第2位は神奈川県の26兆9807億円で、以下愛知県の26兆6391億円、大阪府の26兆5056億円、埼玉県の20兆6466億円が続く。

これに対して最も少なかったのは鳥取県で、1兆3497億円だった。2番目は島根県の1兆7016億円で、以下高知県の1兆8226億円、佐賀県の2兆1103億円、徳島県の2兆2155億円が続いている。

一人当たりの県民所得も計算

さらに県民所得を総務省統計局が公表している2014年10月1日時点の県別人口推計で除した「一人当たりの県民所得推計」で見ると、県民所得が最も少なかったのは鳥取県で一人当たり約235万円となった。これは東京都の約448万円と比較すると約半分強となる。ちなみに島根県は約244万円、高知県は約247万円、佐賀県は約253万円、徳島県は約290万円となる。

県民所得の多かった神奈川県は約297万円、愛知県は約357万円、大阪府は約300万円、埼玉県は約285万円などとなっており、東京都がいかに際立っているのかがわかる。

また、県民所得では5番目に少なかった徳島県だが、一人当たりの県民所得は埼玉県よりも多かったこと、他方愛知県の一人当たり県民所得が、その他の県民所得の多かった県の2割程度多くなっていることなども明らかになっている。

最も貧しい県にある『金持神社』

こうして見ると、日本で「最も貧しい県」は鳥取県、ということになるのだが、面白いのは、東西に長く広がる鳥取県の西方には、『金持神社』という名所があることだ。全国にひとつしかない縁起のよい名前とあって、金運祈願に全国から多くの参拝者が集まるのだという。もちろん「開運八社巡り」のひとつにも挙げられている。

このほか鳥取砂丘や水木しげるロードなど、同県には見どころもたくさんある。ぜひとも観光に訪れて、少しでも県の経済に貢献できたと満足感を味わうのも悪くはないのかもしれない。(ZUU online 編集部)

県民所得トップ10、ワースト10

<トップ10>(単位百万)
東京都:約60兆円(59.959,202)
神奈川県:約27兆円(26,980,700)
愛知県:約26.6兆円(26,639,100)
大阪府:約26.5兆円(26,505,585)
埼玉県:約20.6兆円(20,646,618)
千葉県:約18.7兆円(18,693,885)
兵庫県:約15.7兆円(15,650,854)
福岡県:約14.4兆円(14,406,447)
北海道:約13.8兆円(13,821,483)
静岡県:約12.4兆円(12,381,679)

<ワースト10>(単位百万)
鳥取県:約1.3兆円(1,349,726)
島根県:約1.7兆円(1,701,647)
高知県:約1.8兆円(1,822,583)
佐賀県:約2.1兆円(2,110,329)
徳島県:約2.2兆円(2,215,472)
福井県:約2.3兆円(2,260,764)
山梨県:約2.5兆円(2,472,479)
秋田県:約2.6兆円(2,586,434)
宮崎県:約2.7兆円(2,697,540)
香川県:約2.8兆円(2,757,623)