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FinTech企業で働く

freee「本質的(マジ)で価値あるものを生み出し、社会に、業界にインパクトを与える仕事を」

野澤氏
(写真=FinTech online編集部)

クラウド会計ソフトの代名詞freee。独立・起業した人が経理、財務や給与計算などの作業や勉強に追われず、やりたいことにフォーカスできる環境を実現しようとGoogle出身の佐々木大輔氏が、サービスと同じ名前の同社を立ち上げたのは2012年7月のことだ。

freeeの採用担当役員、野澤俊通氏は14年6月、「セールスの組織を立ちあげて欲しい」と請われて入社。氏が1人で組織づくりを始めたビジネス部門も今では50人までに成長。野澤氏に採用において大切にしていること、人材について考え方を聞いた。(取材:FinTech online編集部)

過去に「一緒に働きたいな」と思った人には絶対声をかけてもらう

スタートアップ、ベンチャー企業は規模が小さいことだけあって、メンバー一人ひとりのカルチャーフィットが非常に重要だ。これは成長著しいfreeeでも同じようで、野澤氏も「(採用候補者が)たとえすごく優秀であっても、freeeのカルチャーと合うことを重視しています。面接では私たちの『5つの価値基準』に沿った行動が本当にできそうかどうかを見ますね」と話す。

野澤氏が言う価値基準とは、「本質的(マジ)で価値ある」「理想ドリブン」「アウトプット→思考」「Hack Everything」「あえて、共有する」――の5つだ。

中でも『本質的(マジ)で価値ある』については、「自分目線で『これが作りたいんですよ』というのは絶対ダメで、お客様、ユーザーにとって『本質的な価値がある』と自信を持って言えることだけをして欲しい。そして目の前の問題を解決すればいいだけではなくて、関係する多くの人たちのビジネスプロセスが変わるか、というところまで考えられるといい。これはセールスも同じで、freeeを使うことで問題解決ができるのかを考えてもらいたい。営業はどうしても売り上げを追い求めるものだけど、押し付けてはいけないと思っています」と説明する。

たいていの企業は採用プロセスで、面接する順番を人事→担当の上長→役員→社長とするが、freeeでは執行役員の野澤氏が「僕が一次面接をすることもありますよ」という。なぜかを問うと、「すぐ転職する気がない人でも、いい人材は転職してもらいたいから、僕が出て行ってめちゃめちゃアトラクト(惹きつけるの意)するんです(笑)。それで相手が『転職したくなってきたかも……』ってなったら、『じゃあちょっと現場と話してみようよ』と言うんです」とのことだ。

IT企業のエンジニア採用では、紹介(リファラル)が多いと聞くが、これも同社も同じようだ。同社ではさらに、エンジニアに限らずビジネスサイドの採用も積極的に取り入れている。「リファラル文化を作ることが会社を良くすると思う。(社員には)過去に一緒に働きたいなと思った人には絶対声をかけて今の環境を説明しようって話していますね」(野澤氏)

マネージャーは「エラい人」ではない 社員はタレント

人事評価制度について尋ねたところ、「評価制度ではないが」と注釈付きで紹介されたのが「インパクトマイルストーン」というものだ。公式には「メンバーが、よりfreeeのビジョンに対してインパクトを与えるアウトプットを創出する力を効果的に高めるためのフィードバックの基準」を指すという。

これは最大10の数値で表される指標で、数字が大きい人ほど、会社や業界、マーケットにそれなりに大きなインパクトを出すことを期待されている。その数値の判断はマネージャー陣が「常に誰がどんなインパクトを出しているか」見た上で決められるという。

しかし「あくまで社員の『評価』をしているのではなく、『インパクトが適正に出ているかどうか』を見るんです」との説明。実際にこのインパクトマイルストーンは職位とも査定とも連動しないというから、いわゆる人事評価制度ではない、ユニークな仕組みといえそうだ。

また同社ではマネージャーは“偉い人”ではなく、“インパクトを出すためにメンバーの背中を押せる人”のことだという。野澤氏は「ジャーマネと呼んでいるんです」と笑う。

そしてこう続ける。「芸能界ではタレントのマネージャーをジャーマネっていいますよね。担当しているタレントをいい番組に出したり、持ち味を出せるようにしたりするのが仕事。タレント、freeeでいえば社員がインパクトを引き出せる仕組みをつくってあげるのが仕事なんです」

ジャーマネは一人だいたい十数人のタレントを見ているという。

当たり前のようにできなかったことに疑問を持って

「FinTech」という言葉は昨年あたりから頻繁に聞かれるようになった。フィンテックに参入する企業も増え、ある種ブームになりつつあるようにも感じられる。この状況をどう捉えているのだろうか。

野澤氏は「(freeeは)もともとフィンテック企業であると意識していたわけではないのですが」と断った上で、「フィンテック、特に金融の業界を見ると、ユーザーから期待されているものと、実際に提供できているものとのギャップが大きいと思う」と分析する。

「例えばAmazonでもモノを買うのはワンクリックでできるのに、銀行で口座開設するのは、基本的には平日の午後3時までに窓口に行く必要がある」と指摘。さらに同社がサービスとして提供している会計ソフトにしても、「従来は、ある同じ情報をあっちにもこっちにも入力しなければいけなかった」と省みる。

そんな同社が取り組んでいるのは、スモールビジネスのバックオフィス最適化であり、UXの向上だ。「業界では当たり前とされ、疑問にさえ思われていなかったところに疑問を投げかけ、メンバー全員がその想いを持って」(野澤氏)、既存の考え方にとらわれないテクノロジーとサービス開発に取り組んでいる。

しかし、「クラウド会計ソフトの導入は、税理士や会計士の仕事を奪わないのだろうか」という素朴な疑問が頭をもたげる。野澤氏はこれを否定し、「日本の税理士事務所もクラウド化することで顧問先を拡大できるんです」と話す。

「欧米、たとえばニュージーランドでは一つの税理士事務所の顧問先が100~200あるのに、日本は20~30程度。つまり7万人の税理士がいても、顧問税理士を持つ事業者は200万(個人含む)程度という計算です。しかし日本には400万の事業者がいます。freeeを利用していただければ、事業者にとってみればコミュニケーション効率を上げられるほか、企業が健全になるためのアドバイスも受けられますし、効率化によって税理士事務所も顧問先を増やせます」

「中小企業が変わることで日本がよくなるという思いはメンバー全員が持っています」(野澤氏)という同社。今も毎月、エンジニアとビジネス含めて10人以上の採用活動が進んでいる。世の中に大きなインパクトを与えるための人材が次々に集まりつつあるようだ。

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中途入社した鷲見氏インタビュー
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