11日の東京市場は、ドル円相場が108円06銭で始まったものの、前週から続く円買いの流れから、一時、107円62銭の安値を付けた。ただ、菅官房長官の円高けん制発言が伝わると反転し、海外市場では、108円45銭まで上昇した。ただ、口先介入の効果は長くは続かず、107円93銭でニューヨーククローズとなった。

12日の東京市場は、オープンから107円台で推移していたものの、麻生財務・金融相による円高けん制発言により、108円台前半まで値を戻した。海外市場でも、108円付近まで下落する場面もあったものの、原油増産凍結合意の報道から、一時、108円80銭まで上昇した。

13日の東京市場は、日本株の大幅上昇に連れる形で、リスクオンの流れとなり、109円程度まで上昇した。海外市場では、米3月小売売上高の結果から多少下落する場面もあったものの、米国株の上昇などを背景にリスクオンの流れが継続したことで、一時、109円41銭まで上昇した。

14日の東京市場は、日本株の上昇から、109円55銭を付けたものの、海外市場では、米3月消費者物価指数が市場予想を下回ったことなどから、ドル売りの流れとなり、108円89銭まで下落した。ただ、米国株が年初来高値を更新するなど、リスクオンの展開となったことで、109円台前半まで値を戻した。

15日の東京市場は、ゴトウビということもあり、実需のドル買いから、109円台後半まで上昇したものの、原油先物価格の下落や、米10年債利回りの低下による日米金利差縮小から108円台後半まで下落した。

今週の為替展望

今週注目される経済指標は、19日の米3月住宅着工件数、20日の3月貿易統計、3月訪日外客数、米3月中古住宅販売件数、21日のECB理事会およびドラギ総裁会見、米3月CB景気先行総合指数などである。

ここ最近の急激な円高トレンドは、政府要人による円高けん制発言により、いったんは落ち着いたものの、CME通貨先物の投機筋のポジションは依然円買いに傾いたままである。少なくとも投機筋は、日銀による介入や、追加緩和も可能性は低いだろう。あったとしても、効果が薄いと考えている可能性が高い。

それでも、市場での介入や金融緩和への期待は高まっており、日銀金融政策決定会合が予定されている27日から28日までは、積極的に円買いポジションを取りに行く動きは限定的と考えられる。

テクニカル面では、週足ベースのボリンジャーバンドはローソク足が、-2σまで下がっており、週足14週のRSIは、30%程度となっており、やや下げ過ぎと言える状況である。

以上を考慮すれば、テクニカル面で下げ過ぎと考えられる状況で、日銀金融政策決定会合を控えており、政府要人による口先介入が増加している現状を考えれば、強気で考えるのが妥当だろう。

ただ、マイナス金利政策を日本よりも先行してスタートしたECBの理事会とドラギ総裁の会見が今週予定されていることから、その内容次第では、マイナス金利政策限界論などが台頭し、ドル円相場にも影響を与える可能性があるだろう。(ZUU online 編集部)

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