学校で教わる「英語のおべんきょう」で英語に親近感を持てなかった人でも、面白い映画を見て、その結果として勉強になるなら話は別だろう。
映画の英語は難しくてとっつきにくいイメージがあるが、昔懐かしい作品から上映中の最新作まで幅広く考えると、あなたの英語学習に最適な映画はきっと見つかるはずだ。
映画の世界に飛び込んで、英語のエッセンスを学び取ろう。
「ローマの休日」
聞き取りやすい英語と分かりやすいストーリー展開
誰もが知っている名画中の名画、「ローマの休日」(1953年)。オードリー・ヘップバーンの代表作であり、グレゴリー・ペック演じる新聞記者ジョーとの出会いと別れの演技が胸を打つ見事な作品だ。
映画のラストで、王室一行の元に戻ったアン王女が、新聞記者のジョーの前に姿を現すシーンのセリフを見てみよう。
新聞記者から「ヨーロッパで最も気に入った国はどこか?」と質問された王女は、「もちろんローマです」と微笑んで答える。
続けて、王女は新聞記者全員に話しかける形をとりながら、短い逢瀬をすごした相手のジョーに向けて、次のセリフで自分の気持ちを伝えようとする。
“I will cherish my visit here in memory as long as I live.”
(このローマで体験した出来事を、私はこれからもずっと大切に生きていきます。)
聞き取りやすい英語と分かりやすいストーリー展開が、学習教材として最適だ。
「マイレージ・マイライフ」
スタイリッシュな雰囲気と魅力あふれる俳優陣
最新作「ヘイル、シーザー!」(2016年)で好演しているジョージ・クルーニーが、2人の女性との出会いを通して「クライアント企業のリストラ担当専門家」としての自分の人生を見つめ直すヒューマンストーリー(2009年公開)。
アメリカ各地のクライアント企業を訪ねて、一年中飛行機で飛び回るライアン(ジョージ・クルーニー)は、空港のバーで出会ったアレックスや、新入社員のナタリーから「重荷を背負わず、責任を持たない人生」について疑問投げかけられる。
そんな彼は妹の結婚式に参加し、当日になってもまだ不安がぬぐえないでいる新郎のジムにこう話しかける。
“Life is better with company. Everybody needs a co-pilot. “
(連れ合いがいれば人生はいいものになる。 誰しも伴侶が必要なんだ。)
おしゃれでスタイリッシュな雰囲気と俳優陣の魅力で、飽きずに英語の勉強ができる。
「ライアーライアー」
ジム・キャリーの演技に爆笑、最後には感動も?
1997年の公開の本作では、主人公のフレッチャー(ジム・キャリー)は、裁判に勝つためなら手段を選ばないワーカホリックの剛腕弁護士で、息子のマックスとの約束をいつもすっぽかしてばかりいる。
そんなフレッチャーに愛想を尽かして別れた妻がマックスを連れてボストンへ旅立とうとする空港で、フレッチャーが叫んだセリフ。
“I’m a dope.
All this time you’ve been here and I could see you any time I felt like, but I didn’t.
I love you more than anything else in the world. I always want to be honest with you. ”
(僕がバカだった。君はずっとここにいて、会いたいと思えばいつでも会えたのに、僕はそうしなかった。
この世界で誰よりも君を愛しているんだ。これからは君に対していつも誠実さを忘れないようにしたい。)
ジム・キャリーの大げさな演技に大爆笑しながら、最後にはホロリとさせられる心憎いストーリー。何度も何度も見ているうちに、いつの間にか英語のセリフも覚えてしまう。
英語字幕や日本語字幕を駆使して何度も見よう
古今東西の洋画に見る英語の名セリフを紹介してきたが、もしグッとくるものがあったなら、実際にその映画を最初から最後まで観賞してみることをお勧めする。
できれば、何度も何度も繰り返し見るのがいいだろう。ただなんとなく眺めるのではなく、ひと工夫してみよう。最初に日本語字幕でストーリーを理解してから、2回目に「日本語吹き替え+英語字幕」で英語字幕に集中。最後に「英語音声+日本語字幕」にして繰り返し視聴してみよう。