English
【Sponsored】(写真=PIXTA)

グローバル化が進み、ビジネスの世界でも英語の重要性は日々増している。高い技術力を誇る日本の産業といえども、日本語だけでのビジネスは成り立たず、世界に向けて英語で発信していく環境に変わってきた。

しかし日本人の英語力はというと、2013年のTOEICの平均スコアは、512点(満点990)で48カ国中40位。業務や街で外国人と接したときに、英語での失敗談は多くの人が経験しているだろう。今回は、日本人が間違いやすい、あるいは意味を勘違いしている英語の表現を取り上げる。

丁寧に確認するつもりが実は無礼な問いかけ「Do you understand?」

中学英語では、「分かりましたか?」と確認する際にはこのフレーズが頻繁に使われる。商業習慣の異なる取引先とのやり取りの際には、逐次こちらの伝えたいことが正確に伝わっているか確認したいところ。しかし、その都度、Do you understand? と尋ねるのは、実は失礼にあたる。

この表現は、「分かりましたか」というニュアンスではなく、「本当にわかっているの?」と大人が子供を叱ったり、教師が生徒を諭したりする場合に使用するフレーズ。この表現より、Do you know what I mean? やDoes it make sense? などが確認するときのフレーズとして有効だ。

礼儀正しい?無礼?「I don’t know.」

礼儀正しいといわれる日本人は、ビジネスにおいてもNoとはなかなか言いにくいもの。しかし、話している内容や尋ねられたことに正確に返答できない場合、ついつい“I don’t know“ と口にしがち。

しかし、これは「そんなこと知らない」というニュアンスなので、礼儀正しい日本人のリアクションからはかけ離れてしまう。こんな時は、“I’m afraid, but I don’t know.”とひとフレーズを付け加えるとぶっきらぼうさがなくなり、丁寧な表現になる。また、I’m not sure.という表現も、よくわからないという柔らかな表現で伝えることができる。

怒ってる?「I know that. 」

英語でのやり取りは、慣れないビジネスパーソンにとっては緊張の連続。その中で、相手の言ったことや、テーマが理解できたときに思わず、“I know that.“と会話に飛びついてしまうことがあるが、実はこの表現も注意が必要。

意味としては、単にその事柄を知っているというだけでなく、「言われなくてもそんなこと知っている」と、少しいら立ちのニュアンスを含んでしまう。表情は、会話に賛同するために明るくても、言葉はイライラを表すチグハグな感じになり、相手も混乱する要因に。この場合は、Oh, I know という表現が苛立ちをなくし、ストレートにその物事を知っているという意味合いになる。

「Are you convenient?」

国際的なビジネスにおいて、時間の感覚が違うことも大きな困難となる。先方の予定を早く抑え、確認する際に、ついつい”Are you convenient?”と聞いてしまいがちだが、これは大きな誤解を生んでしまう。

“Convenient”は都合がいいという意味だが、それは物が主語になるときで、人が主語となると、「こき使いやすい」という意味合いになる。都合を尋ねたつもりが、あなたはこき使いやすいかと聞いてしまったことになり、赤っ恥をかいてしまう。代わりに“Is that convenient for you?”などとthatを主語にすると、都合がいいという意味で使うことができる。

一体何を?「How can I say?」

英語での会話につまったとき、英単語が出てこなくなったとき、How can I say?と言って、間をつないだり、思い出す時間稼ぎをしたりすることがあるが、この表現もネイティブにとっては違和感のある表現の一つだ。

動詞say には、目的語が必要なので、“How can I say?”で文章を止めると、「何を」という目的が欠けてしまった状態だ。How can I say it in English?など目的語を続けて文章を完成する必要がある。

中学英語の思わぬ罠、失敗から学ぶことが重要

これらの表現はいずれも中学校で習ったはずの表現ばかりだが、ニュアンスまで正確に使いこなせていないかもしれない。

これはごく一部で、実は日本人が意味合いを勘違いしている表現は他にもある。ビジネス英語の取得には、仕事で使いこなしながら、間違いを指摘してくれる人がいる環境に身を置くことが大切だろう。

そのためにも、英会話学校や、ネイティブとのチャットなどで、それぞれのフレーズがどの場面で使われているか確認しながら一つひとつ覚えていくことが重要だろう。