「ネイティブではない」ことに価値がある

(写真=The 21 online)
(写真=The 21 online)

今、日本中の学校でフィリピンの英語力が注目されている理由は、フィリピンが世界第3位の英語公用語国(フィリピン大使館HPより)というだけでなく、ビジネス英語指数(Business English Index)が3年連続ナンバーワンだからです。

フィリピン人はネイティブではありません。英語を学習して話せるようになっています。つまり、フィリピン人は世界で一番成功した英語の学習者なのです。初めから話せるネイティブと違って、実体験として英語の学習経験があります。文法も発音も全く違う日本人にとって、いきなりネイティブの先生から習うより、一から学習する生徒の気持ちがわかっているフィリピン人のほうが良いのです。

「全生徒が話せる」という画期的なシステム

フィリピンの英語力を活用するのに一番注目されているのは、インターネットを使ったマンツーマン英会話授業です。日本の中学・高校では積極的に情報通信技術(ICT)を活用した授業を行おうとしています。

マンツーマン授業の最大の魅力は、どの生徒も公平に話す機会があることです。グループクラスだと英語の得意な生徒とできない生徒が混在しているので、全く話す機会がない生徒が出てしまいます。それに対してマンツーマン授業だと、それぞれのレベルに合わせて教えることができるのです。

たとえば、大妻中野中学校・高等学校では今春より、タブレット端末を使い、一クラス全員が同時に学ぶマンツーマンのオンライン英会話の授業が始まりました。中学1年生から高校2年生までの全生徒、約1,300人が受講し、一クラス40人の生徒に対してフィリピンの教師40人が個別に指導しています。

話すことを重視すると、どうしてもたくさんの教師が必要になります。外国語指導助手(ALT)を日本で雇うと1時間あたり1万円以上のコストがかかりますが、フィリピンの教師であれば25分1000円なので格安です。