シンガポール証券取引所(SGX)は7月14日現地時間午前11時38分、システムから発せられた重複取引の警告を確認する目的で、証券市場取引を一時停止。

当初は2時間で復旧する見込みだったが、最終的には終日メンテナンスを行い、翌朝15日から通常通りの取引再開となった。

SGXが技術問題が原因で取引を停止するのは、過去2年間で4回目。

金融管理局からシステム改善について警告

アジア屈指の国際証券取引所として知られるSGX。米ブルームバーグによると、時価総額4940億ドル(約52兆3541億円)、過去1年間の1日平均株価取引額は16億ドル(約1695億6800万円)と、アジア最大の市場規模を誇る

わずか数時間の閉鎖でも大きな支障をきたすはずだが、今回のように丸一日取引が停止され、しかも2年間で4回も同様の問題が生じているとなれば、SGX自体の信用問題に深刻な影響をおよぼす。

SGXは2014年に1カ月間で二度の取引停止騒ぎを起こし、規制当局から厳重な警告を受けた後、昨年6月には2億ドル(約211億9600万円)を投じてシステム改善を実施したが、11月には再び停電でデリバティブ取引を一時中断。翌月にはソフトウェアの不具合で、取引開始を3時間遅らせる事態となった。

シンガポール金融管理局(MAS)からシステム改善を強要された際、特にモニタリングおよびリカバリー・システムを向上させるようにと警告されていたが、大金を投じた成果のほどが今一つなのは一目瞭然だ。

短期間で度重なる業務停止に、「MASからさらなる圧力がかかるのではないか」との見方が強まっている。