ウェルスナビ,FinTech企業で働くということ
(写真=FinTech online編集部)

ITを活用して資産運用についてアドバイスする「ロボアド」。ノーベル経済学賞も受賞した米人経済学者であるハリー・マーコウィッツ氏が基礎づけた「現代ポートフォリオ理論」をアルゴリズムに活かして、ロボアドの開発を進めるのが、マッキンゼー出身の柴山和久氏が率いるウェルスナビだ。

ウェルスナビ自身は自社サービスをロボアドバイザーとは呼んでいないが、同社のロボアドは開発中の時点から注目を集めてきた。7月13日には正式リリースも実施し、サービスの普及に向けて弾みをつけた格好。グリーベンチャーズ、IVP(インフィニティ・ベンチャー・パートナーズ)、SMBCベンチャーキャピタル、みずほキャピタル、三菱UFJキャピタルおよびDBJキャピタルから6億円を調達しており、今後さらに組織拡大も進めていくとみられる。

ウェルスナビの職場の実態を探るべく、プロダクト開発ディレクターを務める井上正樹氏に、職場での働き方や勤務環境改善の取り組みなどについて伺った。

次に目指すのは「多くのユーザーを獲得できる」製品への進化

まずは井上氏のキャリアを振り返っておこう。2006年、SNS時代のグリーに入社した同氏は、ソーシャルゲーム~「釣りスタ」のヒットを受け、インフラ拡大と安定した運用の実現に取り組んだ後、開発本部副本部長・開発企画室長として、エンジニアの採用や育成にも携わってきた。

井上氏は「現在社員は約25人で、そのうちおよそ半数がエンジニア」と内情を語る。大手コンサルティングファームのマッキンゼーに務めていた柴山社長のほか、グリーの「卒業生」でもある井上氏らの指揮の下、着々とサービスの開発を推進してきた。

1人でサービスを作れるエンジニアの育成を目指す「TECH::CAMP」(テックキャンプ。株式会社div主催の最短1カ月でサービスを作ることが出来るエンジニアになる、プログラミング学習プログラム)でプログラミングを学んだ柴山社長の下、ロボアド・ウェルスナビの開発が進んでいるが、チームはまだまだ「スタートアップ」の規模だという。

現在では、実際のプロダクト開発では、主に柴山氏とエンジニアが直接、相談して作っているという。実際、働き方もフレキシブルな様子で、井上氏は「コアタイムは10時~16時だ」とする一方で、「晩方までオフィスに残っているスタッフには出前がでる」と説明するなど、比較的に自由度の高いワークスタイルとなっている様子だ。

ウェルスナビで求めるのは、今の自分達の作っているものが、将来に大きく「化ける」と信じて走っていける人材だという。具体的には、前向きなコミュニケーションをとれる人や、方針が変わって継続して取り組めるお互いに信頼できる人だという。またベースに事業者としてのマインドを持っている人も望ましいとのことだ。

デザイナーやWebエンジニア、Androidエンジニア、マーケティングなどの職種で人材を募集しており、井上氏はほかにも、「今までは(サービスの)基礎を作ってきたが、スライダーを使った操作を実装するなどインタラクティブで、多くのユーザーに受け入れられるプロダクトを作っていけるような人を求めている」という。ルック&フィールで重要になる配色を決められるといったスキルも歓迎する姿勢だ。