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(写真=PIXTA)

2人に1人がかかると言われる「がん」。これは若者から高齢者まですべて含めた平均のため、20代、30代でも2人に1人がかかるという訳ではない。数字のマジックだ。

しかし実は、筆者も5年前に乳がんにかかっている。無事5年を迎えられたことで安堵していたが、担当医からは「一般的にがんにり患して、再発や転移なく5年たてばひと安心といえるのだが、乳がんの場合は10年見なければいけない」と言われ驚いた。

がんにかかった部位により、経過や生存率に差があるということのようだ。そこで、今年の1月に初めて公表された全がん協の最新データ10年相対生存率を活用し、部位別のがんの実態を見ていきたい。

つきまとう「がん=死」のイメージ

生存率とは、がんの診断から5年や10年など一定期間後に生存している確率のことだ。がんになった部位や病期(ステージ)、また年齢や性別によっても違いがある。

最近でも九重親方(元横綱・千代の富士)や大橋巨泉氏など有名人の訃報がクローズアップされることもあり、「がん=死」だと思う方もいるかもしれない。

だが、「全国がん(成人病)センター協議会の調査」によると、がんの5年相対生存率(2006年から08年診断症例)は男女計62.1%だ。前回(2003年から05年診断症例)に比べて3.5ポイント上昇している。

10年生存率に見える「がん」の部位別特徴とは

10年相対生存率(1999年から2002年診断症例)は男女計58.2%。5年相対生存率とほぼ変わりなく6割と意外と高い。

だが2つの生存率を比べることで、同じステージでも部位別生存率に違いがあることが分かる。

筆者が患った乳がんは、「国立がん研究センターがん対策情報センターがんの統計2015」によると女性の罹患数で1位だが、死亡数では5位となっている。

早期のがんであるステージⅠの場合、10年生存率が93.5%と治りやすいがんだといえるが、がんが最も進行しているステージⅣの場合には、5年生存率32.6%のところ10年生存率は15.6%。乳がんは目に見えないような小さな転移をしている可能性があることから全身病とも言われている。やはり10年間しっかりと観察が必要ながんのようだ。

同じように、10年間の観察が必要だと思われるのが肝臓がんだ。肝臓がんは男性に多く、早期発見と言われるステージⅠでも5年生存率57.3%、10年生存率は29.3%と5年を経過しても進行しやすい。ステージⅣともなると5年生存率4.0%、10年生存率は2.5%。ステージが進むとほぼ助からないがんだ。

ただ健康診断で予兆が発見されやすいという特徴がある。脂肪肝など指摘された場合には暴飲暴食に気を付け、毎年の健康診断を欠かさないようにすることで、がんを未然に防ぐことができるだろう。

また健診を受けても早期発見が難しく、進行が速いのが「すい臓がん」だ。ステージⅠの5年生存率は40.5%だが、10年生存率は29.6%で、診断から5年後も観察が必要だ。

またステージⅣの場合は5年生存率1.6%、10年生存率は0.9%、かなり治りにくいがんといえる。ただ急な血糖値の悪化など、体調の変化により早期にがんが見つかる場合もあるようだ。身体の声をしっかり聞くことができれば、治る病気にできるかもしれない。