8日の東京市場は、前週の雇用統計を好感した流れが続き、102円台での推移が中心だった。海外市場でも、円安の流れは続き、102円67銭まで上昇したものの、米国株の伸び悩みから102円台半ばでニューヨーククローズとなった。

9日の東京市場は、102円台半ばで伸び悩んだ。海外市場では、米4-6月期非農業部門労働生産性速報が市場予想を下回ったこともあり、101円77銭まで下落し、その後も101円台後半で推移した。

10日の東京市場は、夏季休暇シーズンということもあり、薄商いの中で101円台前半まで下落した。海外市場でもその流れは続き、米10年債利回りの低下も重なり、一時、100円96銭まで下落した。ただ、その後は、101円台前半で推移した。

11日の東京市場は、山の日のため取引参加者は限定的で、101円02銭の安値は付けたものの、方向感の乏しい展開だった。海外市場では、原油先物価格の上昇や、ダウ平均株価が史上最高値を更新したことなどから、リスクオンの流れとなり、102円台まで上昇した。

12日の東京市場は、日本株は大幅高となったものの、連れることはなく、102円台前半で上値の重い展開となった。海外市場では、米小売売上高の悪化から、一時、100円台後半まで下落した。

今週の為替展望

今週注目される経済指標は、15日の4-6月期GDP、米8月NY連銀製造業景況指数、16日の米7月消費者物価、米7月住宅着工件数、米7月建設許可件数、米7月鉱工業生産・設備稼働率、18日の7月貿易収支、米7月CB景気先行総合指数などである。

今週の外国為替は、前週末に発表された米7月小売売上高が、前月比で市場予想を下回ったことで、FRBによる年内利上げの可能性が低下したと考えるのが妥当のため、引き続き円高トレンドで考えるのが妥当だろう。

ただ、直近の日銀金融政策決定会合でETFの買入額増とマイナス金利の深堀がなかったことで、すでに10年債利回りの水準訂正が一気に進んでおり、FOMCから早期利上げの可能性も高くないということで、日米金利差縮小からドル円相場が円高で推移しているとすれば、ここからの円高進行(100円割れ、90円台定着)には、さらなる材料が必要になるはずだ。

テクニカル面では、週足ベースのボリンジャーバンドはローソク足が、マイナス1σから2σの間であり、週足14週のRSIは、30%台後半となっていることから、やや円が買われ過ぎと言える水準となっている。

以上から、引き続き、円高に進みやすい地合いといえるものの、90円台が定着するような材料がないことから、中立で考えるのが妥当だろう。注意したい点としては、再び、シカゴ筋の円買いポジションが増加傾向にあるため、日銀によるETF買い期待を背景とした日本株の上昇に連れる形でのドル円相場の円安進行と、それに伴う、海外勢のポジションをクローズする動きが挙げられる。(ZUU online 編集部)

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