「まだまだ世界には資金需要と、供給にギャップがある」。インターネットを活用して資金を募るクラウドファンディングも活用して、その橋渡しをしようとしているのがクラウドクレジットだ。金融緩和の後押しもあって進む「カネ余り」と、「カネ不足」をマッチングさせるのが狙いだと言えるだろう。
FinTechブームとも同時期にマネックスベンチャーズ、GCIキャピタル、伊藤忠商事などからの資金調達も同社は実現したりペルー、エストニア、メキシコの3カ国に子会社を設立したりするなど、資金需給のズレを埋めるべく着々と事業の展開を推進している。
FinTech企業に数えられる一方で、クラウドクレジットは自社を「金融ベンチャー」だとしている。中には、「あくまでIT・テクノロジー企業」と自社を位置付けるFinTech企業もあるものの、同社は自社をアセットマネジャーで、「金融」寄りのスタンスをとっているのは珍しい例でもある。
今回はその「金融ベンチャー」を掲げるクラウドクレジットの職場の実態に迫るべく、システム業務部で採用などの人事にも深くかかわるシステム業務部の松家史歩部長を訪ねた。
“らしく”ない「金融ベンチャー」の幅広いスタッフ年齢層
同氏によれば、クラウドクレジットは現在、19人体制だという。あくまで「レンディング」を中心に据えており、金融人材を中心に組織の拡充を推進しており、金融に知悉した人材にも活躍の場が与えられそうな様子だ。
松家氏によれば、現在は、金融人材を中心に採用を進めており、社外からの信頼をきちんと得られる体制の整備を進めているという。アセットマネジメント業務を強化するためのオペレーターや審査、コンプライアンス担当の強化を図っているとのこと。
同氏は「(商品の)利回りなどだけではなく、個人情報の保護は大丈夫なのか問われることもある。金融人材も採用も進めて、大きな企業の基準でも信頼される会社を目指し、日本の投資家に投資先を紹介していく中核機能を強化していきたい」と話し、“とんがった人材”や“斬新な発想力を持つエンジニア”の採用を進めるという、IT・テクノロジー分野のスタートアップとは一線を画した姿勢で臨んでいる。
またクラウドクレジットの社員の年齢構成もベンチャー企業の典型的なイメージにはそぐわないと言えそうだ。一般的にはFinTechスタートアップでは20代や30代など若い経営者やスタッフが運営しているイメージがあると言えそうだが、同社には70代のスタッフもいるなど、非常に幅広い年代のメンバー構成となっているという。
様々なチャネルを活用した採用活動で集まった人材が集い業務に励むオフィスでは、個性のひしめく場でもあるという。金融分野で「その道50年」のベテランとともに、金融の現場で経験を積んできた30代もいれば、顧客サービスを提供するチームに外資系金融機関でオペレーションを経験してきた人もいるそうだ。