15日の東京市場は、ドル円相場が101円26銭で始まり、ゴトウビということで、仲値にかけて101円47銭まで上昇した。しかし、夏季休暇シーズンのため動意薄の展開となり長くは続かなかった。海外市場では、序盤に100円85銭の安値を付けたものの、原油先物価格や米国株の上昇からリスクオンの流れとなり、101円台前半でニューヨーククローズとなった。

16日の東京市場は、特段材料はなかったものの、仕掛け的な売りにより100円台前半まで上昇した。海外市場では、米7月消費者物価指数が市場予想を下回ったことなどから、一時、99円53銭まで下落した。ただ、ダドリーNY連銀総裁が「9月利上げはあり得る」と発言すると、100円台前半まで値を戻した。

17日の東京市場は、浅川財務官の円高けん制発言から101円18銭まで値を戻したものの、長くは続かなかった。海外市場では、海外株の下落などからリスクオフの流れとなり、100円04銭まで下落した。

18日の東京市場は、前日発表のFOMC議事録の内容が早期利上げにネガティブなものと捉えられたことで、一時、99円63銭まで下落した。ただ、日銀や財務相、金融庁が情報交換会合を行うとの報道もあり、100円台を回復する場面もあった。海外市場では、序盤に100円51銭まで上昇し、米新規失業保険申請件数の良好な結果などからその水準を維持したものの、米国株が下落すると、再び99円台を付けた。

19日の東京市場は、日本株の上昇に連れる形で、100円台まで値を戻したものの、上値の重い展開となった。海外市場でもその流れは続き、100円16銭で週の取引を終えた。

今週の為替展望

今週注目される経済指標は、23日の米7月新築住宅販売件数、24日の米7月中古住宅販売件数、25日の米7月耐久財受注、26日の米4-6月期GDP改定値などが予定されている。また、26日にジャクソンホール会合で、イエレンFRB議長の講演が予定されている。

今週の外国為替であるが、ダドリーNY連銀総裁が「9月利上げはあり得る」と発言し、FOMC議事録でも早期利上げについてメンバー内で意見が割れていることが明らかとなったことで、ジャクソンホールでのイエレンFRB議長の講演に注目が集まる。

よって、利上げに前向きな発言があれば、円安、消極的な発言であれば、円高に進むという動きが想定されるが、講演は金曜日であるため、それまでは方向感の乏しい展開となりそうだ。

テクニカル面では、週足ベースのボリンジャーバンドはローソク足が、マイナス1σから2σの間であり、週足14週のRSIは、30%台半ばとなっていることから、やや円が買われ過ぎと言える水準となっている。

以上から、ジャクソンホールでの講演までは大きな材料がなく、90円台が定着するような円高進行は考えにくいだろう。しかし、すでに政府関係者の口先介入も効果が薄れていることから、テクニカル面で割安感があったとしても、日米金利差が縮小していることから円安に進みづらい地合いであり、中立が妥当だろう。(ZUU online 編集部)

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