相次ぐテロやBrexit、米国の利上げ観測など、先の見えない状況に閉塞感すら漂いつつある世界経済。そんな中、堅調な成長を見せるのが中国やインド、ASEAN諸国である。

世界経済の失速?原因はやはりBrexit

国際通貨基金(IMF)は、7月19日に発表した最新の世界経済見通しで、先進国(G7)の成長見通しを下方修正した。Brexitの影響で世界経済や政治、制度面で不透明感が高まるとして、2016年を4月時点予想の1.9%から1.8%に、17年を同2.0%から1.8%に引き下げた。17年も低成長が続く予想だ。

一方で、新興国については見通しを据え置いている。16年が4.1%、17年が4.6%を見込んでいる。新興国が牽引することで、世界経済全体は16年、17年ともに0.1%下方修正されたが、それぞれ3.1%、17年には3.4%成長を見込んでいる。

新興国も、Brexitの影響がないという訳ではない。IMFは、Brexitがなければ、ブラジルとロシアの好調さから、新興国の成長率は上方修正する可能性を示していたとコメントしている。ただ、好調が持続する新興国も徐々に方向感がなくなってきている。

新興国も明暗が分かれる 影を落とす資源価格の下落

たとえば、一時期世界景気を牽引すると言われたBRICsも、明暗がくっきり分かれている。好調が持続している中国とインドに対し、ブラジルとロシアはマイナス成長に沈んでいる。同じ新興国でも資源国と非資源国で、二極化が進んでいるのだ。

中国は、16年が6.9%、17年が6.6%とスローダウンしているものの、中国政府が全国人民代表大会(全人代)で掲げた、6.5%の成長目標は上回る見通しだ。インドも、16年7.6%、17年7.4%と高成長が持続する。

ASEAN5カ国の伸びも16年4.8%、17年4.8%を見込んでいるため、アジア全体としては16年6.6%、17年6.4%の高成長が続く。外需依存度が高く、世界景気の停滞とともに伸び悩んではいるものの、拡大する内需を背景に世界景気においては、まだまだ一人勝ちの様相だ。

リオオリンピックを無事に終えたブラジルだが、期待に反して世界景気の足を引っ張っている。16年の成長は▲3.8%、17年は▲3.3%とマイナス成長が続く。ロシアも16年は▲3.7%、17年は▲1.2%とやはりマイナス成長だ。ともに資源国であるため、原油や資源価格の下落が直撃している。

ただ足元では原油や資源が反騰しており、両国の経済成長のモメンタムは上向きになってきた。IMFは今回の7月見直しでは、ブラジルの16年・17年の成長率を0.5%ずつ上方修正している。ロシアに関しても、16年を0.6%、17年を0.2%上方修正した。

株式市場は経済モメンタムを重視したようで、16年のブラジルのボベスパ指数は年初来33%の上昇、ロシアRTS指数は同28%の上昇(8月25日現在)と、世界の株式市場でもトップクラスのパフォーマンスになっている。