世界32カ国・地域で消費者の銀行に対する満足度を評価した「消費者満足度指数(CEI)」から、日本の銀行の消費者満足度がワースト4入りしていることが判明した。

昨年と比較すると総体的に85%の国・地域で改善が見られ、平均は2.9増の75.6。消費者の満足度が高い地域は欧米に集中しており、逆に不満が多い地域にはアジアが目立つ。

このランキングは仏コンサルティング会社、キャップジェミニが毎年発表している「ワールド・バンキング・レポート」の最新版に基づいて作成された。

万年ワースト国が大幅に改善

アルゼンチンと並んでワースト4位となった日本の銀行だが、実は改善度は前年比7.5ポイントと、32カ国・地域中で最高の伸びを見せている。2013年には香港に次ぐワースト2(65.5)だったという背景を考慮すると、日本の銀行の並みならぬ努力がうかがえる。

しかし同じく2013年にはワースト7位だったロシア、8位だったオランダが、今年はトップ10入りに転じているのを目の当たりにすれば、まだまだ課題が山積みであるのは一目瞭然だ。

「銀行に関するポジティブな経験度」を見てみると、ここでも日本は40.8と、1位のオランダより30ポイント近く低い。

日本の消費者の不満は、「銀行への信用度」がわずか29.1%であるという結果に反映されている。42.6%が「銀行の乗り換えを検討中」、「(自分の利用銀行を)周囲に勧める」のは16.9%、「商品を購入する」のは4.2%だ。

大飛躍を遂げてもワースト4位ということは、改善の余地があり余っているということにほかならない。ロシアやオランダが消費者の声に耳を傾け、快適なサービスを追及した結果、見事大逆転を果たしたように、日本の銀行も消費者の視点を既存の価値観に持ちこむことができれば、万年ワーストからの脱出を図れるのではないだろうか。