世界一の個人負債大国・英国で、「浪費癖は親ゆずりである可能性が高い」という興味深いレポートが発表された。

「次の給料日前にお金を使い果たしてしまう」と回答した成人の半分、「収入よりも支出が多い」と回答した成人の3分の1が、自分の両親にも同様の浪費癖があったことを認めている。

金融リテラシー教育の本場で、一体何が起こっているのか。

子供にとって最大のリテラシー教育は親

英大手銀行TBSが実施したこの調査では、親の金銭感覚や財政状況に関係なく、「子供にとって最大のリテラシー教育は親である」事実が浮彫りになっている。

クレジットカードを乱用している成人の60%の親が、やはり重度のカード依存症であったこと、消費者金融の利用者の3分の2の親が同様の融資を利用していたなど、「お金の歴史は繰り返す」といった印象を強く受ける。

そもそもお金の管理の入り口となる銀行からして、34%の成人が「初めて開設した銀行口座を現在も利用している」が、そのうち31%が「親が開設してくれた」と、成人後も親の決めた銀行を利用しつづけている。

また約25%が「(新規口座を開設する場合)親と同じ銀行にする」と回答していることから、親の影響の偉大さがうかがわれる。

手続きのわずらわしさ、身近な人間がすでに利用しているという安心感など理由はそれぞれだろうが、「とりあえず親と同じにしておけば安心」という思考が、いい意味でも悪い意味でも子供の金銭感覚に、長く深く影響を与えるということだ。

しかし低金利の影響からか、クレジットカードの利用者は年々増加傾向にあり、将来的には浪費癖から抜けだせない成人の数も、ますます増えていくのではないかと懸念されている。