最近の株式市場や外国為替市場は、2015年からの原油価格の低迷に英国のEU離脱決定、欧州の銀行の経営不安、国際的なテロへの脅威が重なり、動きの激しい相場になっています。また、国内金融市場に目を転じると、マイナス金利政策による国債市場の異常な値動きが続き、さらに株価もさえない動きが続いています。
リーマンショック以降、各国政府や中央銀行による量的質的緩和が続き、金融市場は長期間にわたって従来の常識が通用しない状態となっています。
海外発の不安材料が発生すると「やはり海外投資は危険がいっぱいだ」と尻込みする方も多いかもしれません。しかし、円や国内投資だけに資金を集中することは、自分の金融資産の危険度を高めていることをご存じでしょうか。なぜ海外投資が必要なのか、その理由を挙げていきましょう。
金融資産の基本「分散投資」という観点から、リスクを分散できる
自分の資産をいくつかの金融商品に振り分けて投資し、リスクを抑えながら着実な利益をねらっていくという考え方を「分散投資」といいます。この考え方を国内投資だけでなく外国投資にまで広げたものが「国際分散投資」です。
景気循環のサイクルは、国や地域によって異なります。日本の景気が良くてもEUの景気があまりよくないということもありますし、当然ながら逆のケースもありです。「一つの籠に卵を盛るな」の例えのように、国内分散投資だけでなく国際分散投資を加えることによって、リスク分散をより強力に図ることができます。