アルゴナビス清水の投資戦略
(写真=PIXTA)

昨日は帰りには久しぶりにきれいな月を見ることができましたが今朝はすっかりと雨になり、茅場町に着いたらかなり激しい雨になりました。株式相場も冴えない展開となり、「お月見」という気分でもないのですが、長い目で見れば日本での金融緩和継続、米国では景気も持ち直し、決して悪い状況ではないと思います。

それでも新聞ではNISA(小額投資非課税制度)で「塩漬け」となっているなどという記事が出ていました。ただ、「NISAで塩漬け」という表現は全く「投資」というものを理解していないということでしょう。目先の数日、数か月の話で「投資」を語っているのですが、NISAであれば少なくとも2~3年の話をしなければならないと思いますし、少なくとも昨年売り出した郵政グループが「塩漬け」となったということは全く投資を理解していないということでしょう。昨年から下落が続いているということですが、NISAで入っていれば配当を非課税で受け取っており、これが本当の投資ということでしょう。

仕手株や目先の値動きを追っている投機ではなく、NISAで「じっくりと」保有しているのです。ですから、NISA口座で損切りをするというのはNISAの意味を全く理解していないということであり、損切りをするようなものはNISA口座で買う必要はないでしょう。NISAで保有しているのものは決して「塩漬け」ではなく、「投資」をしているのです。経済新聞がNISAに悲観的な記事を書いてもしょうがないと思います。

米国株はまちまちですが、円高気味となったことや夜間取引やシカゴ市場で日経平均先物が売られたことから、本日の日本市場も売り先行となりそうです。ただ、売り急ぐだけの材料も見られず引き続き日銀買いも期待されることから底堅さを確認しての切り返しも期待されます。日銀の金融政策決定会合や連休を控えていることで動き難いのだと思いますが、逆に買い戻しなども入るものと思われます。小型銘柄は値動きの軽いものだけが日替わり的に物色されるだけで、総じてみると手仕舞い売りも嵩んで来そうです。

16,500円~600円水準でしっかりと値固めとなるかどうかというところです。16,500円をあっさりと割り込んで下値の節目である16,200円~300円水準を試すこともありそうですが、日銀の金融政策決定会合を控えての買い戻しなども入るとものと思われ、当面は16,500円~600円水準を底値に17,000円を目指す動きには違いないと思います。

本日の投資戦略

米国株式市場が軟調となっており、日本市場への影響も懸念されるが、為替が極端に円高に振れているということでもなく、日本市場は底堅さも見られそうです。原油価格の下落が米国市場の冴えない要因とされていますが、利上げに対する警戒感もあるものと思われます。ただ、原油価格の下落も金融商品としての下落ではなく、単純に原油の需給という面が強く、特に問題のある下げということでもないと思います。

米国市場もここまで金融緩和が継続されるなかで業績、景気が好調ということで買われていたものが金融緩和が終わるということで「業績相場」への移行期ということだと思います。リーマンショックの後、QE(量的緩和)が終わるたびに波乱となっていた構図が継続しているということでしょう。逆に言えばあくまでも調整ということであり、リセッション(景気後退)への懸念は薄いと思います。したがって、日本市場でも金融緩和が継続しており、さらにマイナス金利の効果なども現れてくることでもあり、過度に悲観することもないと思います。

清水 洋介(しみず ようすけ)
証券経済アナリスト。大和証券、ソシエテジェネラル証券、マネックス証券を経て投資情報サービス会社「ピクシスリサーチ」を設立 (現・ アルゴナビス )、「チャートの先生」「投資のプロ」として、講演やセミナー活動を活発に開催。テレビや雑誌などでも投資についての解説、講義なども行っている。 メールマガジン も配信中。

※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。

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