新卒で仕事に就く場合も、キャリアアップを図るために転職する場合も「年収・給与制度」を重要視することだろう。今回はそんな「年収・給与制度」にスポットを当てた、Vorkersの調査レポートから「30歳で年収1000万円が狙える企業」をピックアップしてみた。
企業が発表している平均給与はあくまでも表面上のものだ、実際に働く社員から寄せられた言葉で語られる、リアルな給与事情を知って、これからの就職活動に活かしてみてはどうだろうか。
ビジネスパーソンはこの給与事情を知ることで、自分の現状とこれからを見据え転職を考えてみてもいいのかもしれない。
広告 ほとんどが残業代?
「電通」と「博報堂」と言えば広告代理店のツートップだ。この2社はいずれも30歳で年収1000万円を狙えるだろう。
実際、「電通」に勤める新卒入社9年目の31歳・営業職の男性の場合、年収は1080万円だと言う。広告代理店は給与が良いイメージがあるが、調査で寄せられた声であったのは「給与の大部分が残業代によって構成されている」という内容である。その平均時間は50時間~とされており、多い月では120時間以上残業するとも言う。
また「博報堂」の場合、30歳で年収は1000万円を超え、そこから人によって差は出てくるが35歳ぐらいで平均1200万円程度となり、マネージャーになると1300~1500万円、部門長クラスになれば2000万円ほどになると言う。
テレビ局 なぜかいまだに高い
華やかなイメージがあるテレビ局は、30歳で1000万円前後の年収になるところが多い。その内訳としてどの局もボーナスが年収を占める割合が高いようだ。
「朝日放送」で新卒入社7年目の30歳男性は主任という役職について、年収900万~1100万円だ。上長による評価制度が定着している企業で、個人の成果を反映した収入の上下はあまりみられない。「関西テレビ放送」新卒入社7年目の30歳、事務・企画職に就いている男性は年収1000万円。朝日放送同様役職は主任だ。
「テレビ朝日」の総合職・女性は20代中頃~後半で1000万円前後と答えている。月収は普通だがボーナスが高額であると言う。夏・冬に加えて春と秋にもボーナスが出るため、ボーナスが年収を占めることがよくわかる。
「日本テレビ放送網」の編成に携わる女性からは、30代前半で1000万円という声と、制作現場で残業している人の給与が高額だろうという声が上がっている。同じテレビ局であっても、部署によって残業の時間・手当の付き方が異なってくると言える。
年功序列が色濃くあるのが「フジテレビジョン」だ。30歳男性で年収は750万~1000万円である。40代50代の給料は良いようで、1200万~2000万円までいる。他局と同様年収を大きく占めるのはボーナスだが、近年売り上げ不振でボーナスが落ちているようだ。
総合商社・銀行・保険 福利厚生も充実
福利厚生も整っており、年功序列で1000万円に到達する業種なら総合商社、銀行・保険だろう。
総合商社なら「伊藤忠商事」「住友商事」「丸紅」「三井物産」「三菱商事」だ。「住友商事」は新卒6入社年目・非管理職で年収1000万円。残業代とボーナスの割合が大きい。残業の多さが年収を左右することになると言う。「丸紅」は新卒8入社年目で1000万円。福利厚生が整っており、育児休暇取得も推奨している働きやすい環境と考えられる。「三井物産」などは海外勤務経験が給与に関わることもある。
銀行・保険なら「東京海上日動火災保険」「みずほ銀行」「三井住友銀行」「三菱東京UFJ銀行」はいずれも30歳で年収1000万前後に到達する。しかし順当に昇格できればの話だ。「東京海上日動火災保険」で挙げるのならば企業年金や退職金が非常に充実しており、長年勤めると考えるのならば高い給与水準だと言える。
証券 成果主義だけに
成果主義だからこそ、年収1000万円どころか3000万円も夢じゃない業種が投資・証券だ。「ゴールドマン・サックス証券」「GCAサヴィアン」「日本M&Aセンター」「野村證券」「メリルリンチ日本証券」の名前が挙がる。
福利厚生も充実していて日系企業としては破格の待遇の「野村證券」は30歳・課長代理で年収1200万円だ。それに対し、外資系の「ゴールドマン・サックス証券」は新卒入社6年目・30歳で年収3000万円を超えると言う。
IT・メーカー ボーナスが多額の企業も
IT企業やメーカーでの30歳の年収はどうだろうか。29歳の営業職で1000万円を超え、個人・チームでのパフォーマンスボーナスがある「Google」は、恵まれすぎている(?)福利厚生を考えると非常に良いと声が上がっている。
シスコシステムズは新卒入社4年目で1000万円になる。ボーナスはないが毎月インセンティブが入る仕組みだ。年収の割合をボーナスで占めている企業が多い中、「シスコシステムズ」は珍しいと言える。メーカーでは「キーエンス」「P&G」の名前が挙がっている。
シンクタンク・コンサルティング なかなか数千万円レベルにはいけないが
「アクセンチュア」「野村総合研究所」「ボストンコンサルティンググループ」「マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社」といったシンクタンク・コンサルティングも30歳で年収1000万円が狙えるところだ。
中でも「マッキンゼー」の社員から「コンサルティング業界の中でも高い水準にある。パートナーまでいけば数千万は固いが、なかなかそこまで残れる人はいない」といった気になる言葉が出ている。なかなかいないということは、残れる人もいるわけである。さらに高みを目指す意志を捨てずに持つことをおすすめする。
自分の力を活かして働きけ、なおかつライフプランに合った企業を狙う一つの指標になるのではないだろうか。実際に勤める社員の言葉は実に興味深く、参考になるはずだ。(ZUU online 編集部)