モス、材料高に苦しむも好調維持

マクドナルドのケースでは、不祥事が絡んだため、円高やデフレによる業績効果が鮮明に浮かび上がったというわけではない。

同業種のモスバーガーは同じ環境下でどのようにビジネスを運営しているのか。2015年5月、1ドル=120円台の円安が進行していたなか、モスバーガーは輸入牛肉の高騰や円安による食材調達のコスト増、さらには人件費の上昇を受け、全商品のうち約9割を10-70円値上げに踏み切った。

販売価格アップによる影響も心配されたが、結果的にはモスバーガーを展開するモスフードサービス <8153> の2016年3月期の決算では売上高が前年同期比7.2%増の711億1300万円、純利益が同約3倍の22億8400万円となった。

さらに、今期に入っても好調を持続。2016年3月期第1四半期決算では、売上高が前年同期比5.1%増の172億1,200万円、純利益は同約7倍の8億1900万円まで伸びた。モスバーガーは輸入食材に加え、自社系列の農場も手掛け、生鮮野菜の安定供給を確保するとともに、質にもこだわった商品を展開し、消費者の心をつかんでいる。

気がかりなのが、直近の2016年8月のモスバーガーの既存店売上高が前年比で4.5%減、客数も4.4%マイナスと落ち込んだことだ。ファーストフードチェーンの中では、比較的商品価格が高いモスバーガーの商品に対し、デフレ心理が働き始めた顧客が、店舗の足を運ぶ機会を減らし始めている兆候の現れかもしれない。

黒船のライバル店がぞくぞくと上陸

デフレや円高などビジネス環境を取り巻く環境に対応を追われる国内のファーストフードチェーンにとって、新たな脅威となるのが、アメリカのハンバーガーチェーンなどの日本上陸だ。ニューヨーク発の人気店「シェイク シャック」は、日本でも人気となり、9月には有楽町東京国際フォーラムに3号店目をオープンさせるなど順調に拡大路線を歩み続けている。この他にも、アメリカ発のメキシカンファーストフードの「タコベル」や、カリフォルニア発祥の「カールスジュニア」なども日本市場に参入している。

円高、デフレマインドによるビジネス環境には追い風となる一方、人口減少で市場のパイが縮小していく中、新たなライバルの出現により、ファーストフード業界は、し烈な競争を生き延びていかなければならない時に差し掛かっている。(ZUU online 編集部)

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