米大統領線,コマツ,インフラ
(写真=Thinkstock/Getty Images)

11月8日の米国の大統領選挙まで2カ月を切った。世論調査による支持率でわずかにリードする民主党のクリントン元国務長官だが、共和党の不動産王トランプ氏との差は再び縮まり接戦となっている。9月26日には先行きを大きく左右し得る両候補のテレビ討論会の第1回目が予定され、選挙戦は一段と熱を帯びそうだ。株式市場への影響を探るとともに、浮上する投資テーマに迫った。

世論調査や統計の分析に基づく選挙予測で定評のある米ウェブサイト「ファイブサーティエイト」によれば、足元のクリントン氏の当選確率は約60%で、8月初めの約80%と比べて大きく低下した。依然トランプ氏に対する優位性を維持してはいるが、最近では健康問題も取りざたされるなど、勢いが鈍化した感は否めない。今後は9月26日を皮切りに、10月9日、同19日と計3回のテレビ討論会が焦点となり、両候補の争いはぎりぎりまでもつれる可能性が高くなった。

大統領候補の重点政策「インフレ制作」 コマツに注目!

仮に現情勢のまま選挙戦が決すれば、基本的にオバマ路線を引き継ぐクリントン大統領の誕生が世界の株式市場に与える影響は中立、もしくは安心感から米株を中心にポジティブとなる公算だ。しかし、トランプ候補が逆転勝利を収めるケースでは、少なくとも一時的には政治混乱への懸念が高まり、リスクオフの株安(および円高)に向かうとみられる。

また、大統領選と同時に行われる議会選挙では、下院の過半数を引き続き共和が制する可能性が高い。このため、「クリントン大統領誕生+共和が下院の過半数確保」という構図が第1のシナリオとなるが、この場合はいわゆる「ねじれ状態」のままとなるため、政策の変化は限定されやすい。

ただ、トランプ氏が勝つと、大統領職と下院の過半数を共和が占める状況が想定される。この第2シナリオが実現すれば、トランプ氏の政策の多くが実行に移されることになり、特に保護主義的な通商政策は日本に逆風となりそうだ。また、クリントン氏が大統領になり、大逆転で下院を民主が制する第3のシナリオも残り、やはり政策効果は大きくなる。

個別銘柄の投資戦略に落とし込む上では、両候補共通の政策に注目したい。その一つがインフラ投資だ。

クリントン氏は5年間で2750億ドル(約28兆円)のインフラ投資計画を掲げ、トランプ氏も財源は不明確ながらクリントン氏の2倍の規模の支出を実施する考えをメディアに表明している。いずれにしても米国では橋りょうや道路といった構造物の老朽化が深刻な問題となっているため、経済対策の受け皿としてはうってつけと言える。

こうした中、米国で展開する日本のインフラ関連銘柄には、大統領選へ向けて思惑が向かいやすくなりそうだ。建機のコマツ <6301> のほか、塩ビの信越化学工業 <4063> 、鋼管の丸一鋼管 <5463> 、セメントで太平洋セメント <5233> などが該当する。

中・小型はキトー、東京綱狙い目

中・小型株では、建設現場で重量物を運搬する装置の「巻上機(ホイスト)」を手掛けるキトー <6409> のほか、屋外作業機械や発電機のやまびこ <6250> に注目したい。また、東京製綱 <5981> は高い強度と軽さを併せ持つ炭素繊維複合材ケーブル(CFCC)の新工場が近く稼働する。CFCCは老朽インフラの補強に適し、今後の同社の海外事業をけん引する製品として期待される。

このほか、クリントン勝利の場合は太陽光発電関連でパワコンの安川電機 <6506> 、ブロードバンドで古河電気工業 <5801> といった銘柄が浮かび上がる。トランプ勝利の場合は、以前株式新聞でも取り上げた三菱重工業 <7011> などの防衛関連に連想が働きそうだ。また、両候補とも反対の立場であるTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の関連銘柄は、いったん様子見となりそうだ。(9月21日株式新聞掲載記事)

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