JR九州,上場
(写真=PIXTA)

2016年10月、JR九州が上場(東証一部または二部)をする。JR九州は規模(時価総額)が大きく、話題性もブランド力も併せ持つIPO銘柄と言えるだろう。

ちなみに上場前の時価総額で同程度の規模であったLINE(ライン)の株価は上場日に48.5%の高騰を演じた。これは、仮にある投資家が最低単位の100株のみ当選していたとしても16万円の利益が発生したことを示す。このように大きな規模の銘柄でも大幅上昇するというのは現在IPO投資が多くの投資家に注目されているからだろう。

そこでJR九州が注目すべき3つの理由を解説してみたい。また、JR九州上場に伴い同時に注目されそうな関連銘柄を7つほどご紹介する。

JR九州が注目である3つの理由

JR九州はIPOとしては狙い目だと考える理由は全部で3つある。

1つ目の理由は、規模が大きく安定した値動きが予想されることが挙げられる。事業内容が理解しがい新興の企業より誰もが知っているインフラ系の企業のほうが広く資金が集まることは容易に予想できる。またJRは陸運業に属しディフェンシブ銘柄としての側面を持っている。ディフェンシブ銘柄は安定的な値動きをするのが魅力の一つであり、投資を始めたばかりの人にも手がけやすい。

2つ目の理由は、株主還元が充実している面で個人投資家の買いが期待される点にある。株主還元とは配当や株主優待などを実施して利益を株主に還元することをいう。JR九州は1株あたり37.5円の配当と優待(乗車券の50%割引券など)という株主還元を充実させていることから、短期で株を手放す投資家ではなく長期目線で株を保有する投資家からの人気も高いだろう。

3つ目の理由は、業績の今後の復調に期待できる点だ。これまでJR九州は、先に上場している他のJR各社に比べ業績の安定度が低いという難点があった。しかし、今後は長期的にみると政府の施策である地域活性化と、2016年に起きた熊本大震災の復興という2つのテーマによって業績も復調しそうだ。九州はふるさと納税の地域PRなどでも何かと話題になることが多い。そのため先ほどの株主優待制度を使用する投資家と重なり思わぬ観光客増も期待できるかもしれない。

注意点!初値が高くなる場合も

IPO投資は、上場前の抽選で当て、上場後も保有し続ける、または、上場日に売却するスタイルが一般的だ。しかし、誰もが抽選で当たるわけではないため、落選した場合には上場後に銘柄を買う必要がある。ここで気をつけたいのは、上場後に株価が上がりすぎてしまうケースがあるということだ。

前述したLINEも、上場前の大方の予想を良い意味で裏切り、大型株では珍しい大幅上昇を見せた。しかし、その直後から一時的に株価が大幅下落をしたのも記憶に新しい。何も知らずに高すぎる初値をつかみ、その後の下落で慌てることのないよう慎重な売買を心がけたい。