日経平均予想ジ レンジ 16,482 ~ 17,156 円

今週は、週初に原油高を背景に米国株が上昇したほか、104円台まで円安が進んだことが好感され、日経平均は9/6以来17,074円の高値水準を回復した。その後、低調な中国9月貿易統計を嫌気したアジア・欧米株安の流れを引き継いだものの、25日線をサポートに底堅い動きに推移した。

海外の焦点

10/7発表の米9月雇用統計は、前月比15.6万人増(予想17.5万人増)と市場予想を下回った。失業率が5.0%と3カ月ぶりに悪化するなど、FRBが目指す年内利上げの決め手とはならなかった。

市場では、年内のFOMCは11/2と12/14の2回行われるが、11月は大統領選の直前のため、12月利上げを有力視しており、10月以降の雇用指標を見極める展開となりそうだ。当面、市場の焦点は、今週から始まった7-9月期決算、11/8の大統領選を控えて、弱目の業績見通しが出ることへの警戒感が強まっている。

国内の焦点

10/11新たな経済対策を盛り込んだ2016年度、第2次補正予算が成立した。事業規模、約28兆円の経済対策の第1弾との位置づけで、事業規模は3.28兆円。政府は2017年度予算編成で社会保障の伸びを5,000億円に抑制する目標を掲げるが、衆院解散の思惑から与党内には早くも第3次補正の待望論が浮上している。

需給面では今後とも、日銀のETF買いの効果が注目される。9月は相場が下落したため、ETFを約8,000億円買い入れた。結果的に9月は外国人売りが1.1兆円続いたにもかかわらず、日経平均は9/1、16,926円から9/30、16,449円、終値での下落幅は447円と比較的小幅な下げに止まった。

下支え効果は今後の上昇相場に向けた心強い援軍となりそうだ。年末まで3カ月間、買い余力から見て少なくとも月間5,000億円の買いで、1.5兆円規模の効果が期待される。

来週の株式相場

テクニカル面では7月以降のレンジ上限(17,000円)を明確に上抜けずに押し戻された。ここで上抜けないと、レンジの下限である16,300円台とのボックス相場に戻る可能性が高まる。ただ、200日線16,670円で踏み止まれば再度上値を試す展開が期待できる。

以上、来週は膠着相場脱出を探る中、市場の関心は今月下旬から始まる上半期決算発表に注目が集まることとなりそうだ。日経平均のレンジは、上値は9/15直近高値17,156円が意識され、下値は75日線の16,482円が目処となる。

株式相場見通し10-14

伊藤嘉洋
岡三オンライン証券 チーフストラテジスト