「世界の大学ランキング2017年版」にランクインした日本のトップ30大学の中、東京大学が首位の座を維持した。2位は昨年に引き続き京都大学、3位は2ランクアップした東北大学という結果だ。トップの順位自体にそれほど大きな変動は見られない。ランキングされた800校中、69校が日本の大学と健闘を見せた。

このランキングは英教育専門誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)」が毎年発表しているもので、世界79カ国・地域の800校におよぶ大学を5つの項目(教育の質・国際観・学術論文などの引用頻度・産学連携力・研究力)で総合的に評価したものだ。

日本の大学の課題は「国際観」の強化

東京大学は世界ランキングで39位、アジアランキングで7位。2014年には世界24位にまでのぼりつめたが、2016年版では43位に転落し、再び4ランクアップと上昇下降を繰り返している。

3年連続の首位から6ランク後退したアジア大学ランキングにも反映されていたが、「国際観」の欠乏が総合評価を押しさげる要因となっており、この傾向は日本の多くの大学に共通しているようだ。

ここでいう国際観とは、国内だけではなく世界で強みとなる研究力、ネットワーク力、経営戦略、語学力などを磨くことを指す。長年国際化の足かせとなっている保守的な特質を一掃し、変化や改革を積極的に創出が求められる。

こうした点を認識し、国際化に本腰をいれ始めた大学も増えているようだが、シンガポールや香港といったほかのアジア国とはまだまだ比べものにならない。日本の大学の強みは「産学連携力」で、研究による収入が飛びぬけて高い大学が多い。国際観を強化してネットワークを広げれば、こうしたポジティブな特質を劇的に伸ばすことが可能だろう。

日本のトップ30大学

13位 横浜市立大学(世界大学ランキング 601位から800位)
13位 山梨大学(601位から800位)
13位 山形大学(601位から800位)
13位 早稲田大学(601位から800位)
13位 豊橋大学(601位から800位)
13位 東京理科大学(601位から800位)
13位 東京農工大学(601位から800位)
13位 徳島大学(601位から800位)
13位 信州大学(601位から800位)
13位 大阪市立大学(601位から800位)
13位 岡山大学(601位から800位)
13位 新潟大学(601位から800位)
13位 名古屋工業大学(601位から800位)
13位 名古屋大学(601位から800位)
13位 長崎大学(601位から800位)
13位 熊本大学(601位から800位)
13位 高知大学(601位から800位)
13位 神戸大学(601位から800位)
13位 近畿大学(601位から800位)
13位 慶応大学(601位から800位)
13位 金沢大学(601位から800位)
13位 順天堂大学(601位から800位)
13位 東京慈恵会医科大学(601位から800位)
13位 愛媛大学(601位から800位)
13位 千葉大学(601位から800位)
12位 広島大学(501位から600位)

9位 筑波大学(401位から500位)
9位 首都大学東京(401位から450位)
9位 北海道大学(401位から450位)
7位 豊田工業大学(350位から400位)
7位 九州大学(300位から350位)
6位 名古屋大学(300位から350位)
4位 東京工業大学(251位から300位)
4位 大阪大学(251位から300位)
3位 東北大学(201位から250位)
2位 京都大学(91位)
1位 東京大学(39位)

(ZUU online 編集部)