住宅ローンを選ぶにあたって、金利は大きな要素だ。ゼロ金利政策に伴い住宅ローンの金利は超低金利で推移しており、注目を集めている。住宅ローンは高額な借り入れをすることになるので、わずか0.1%の差でも返済金額には数十万円以上の差が生まれる。また、20年、30年と長期にわたっての返済になるので、リスクを極力抑えた返済計画を立てる必要がある。

目次

  1. 住宅ローンの金利の種類
  2. 住宅ローンの金利の推移
  3. 住宅ローンの動向を予想できるか
  4. 住宅ローンの金利の選び方

住宅ローンの金利の種類

住宅ローンには、大きく分けて3つの金利タイプがある。1つ目は、借り入れから完済までの全期間の金利が固定されている「全期間固定金利」だ。借り入れ後に経済状況が変化するなどして金利動向が変わったとしても、その影響を受けないのがこのタイプである。支払い総額が決まっているので、返済計画が立てやすく資産管理しやすいのが特徴だ。

2つ目は、最初の一定期間の金利を固定することができる「固定金利期間選択」だ。借り入れ開始から一定期間の金利を固定とすることができ、その期間の終了段階でその後の金利を再設定するプランである。

金利を固定する期間は、3年、5年、10年、15年などがあり、自由に選択可能。期間終了後は、再度固定期間金利を選ぶのか、変動金利に変更するのかを決めることができる。固定金利期間は比較的金利が低く支払い額を抑えるのに役立つが、期間終了後に金利が高くなればその後の返済額は増えるため、注意が必要だ。

3つ目は、半年に1回金利が見直される「変動金利」だ。返済額の変更は5年ごとなので急に支払いが増えることはないが、返済額に占める利息の割合は半年に1回変化する。金利が高くなると利息が増え元本が減らないという状況になったり、場合によっては利息額だけで毎月の返済額を上回る「未払利息」が生じるリスクもある。

住宅ローンの金利の推移

超低金利といわれているが、10年固定の金利は0.8%前後になっている。30年前には8%の時代もあったことを考えると、今の住宅ローン金利がいかに恵まれているかがわかるだろう。とはいえ、これから住宅ローンを利用するとしていつまでも超低金利が続くとも考えにくく、20年後、30年後には金利が高くなっていることも考えられる。

0.6%や0.8%という金利を見たあとで金利3%と聞くと高いような気もするが、ほんの数年前にはそのような金利であったのだ。そうしたことをふまえ、金利の上昇リスクにも耐えられる返済計画を立てるべきだろう。ポイントは「年収から計算した限度いっぱいまで借り入れしないこと」である。

住宅ローンの動向を予想できるか

10年以上の固定金利は、10年もの国債金利に連動している。これは金融機関が金利を決めるときに、国債金利に利益をプラスしているからだ。また、2008年のリーマンショック以降政策金利は0.1%で推移している。ゼロ金利政策のおかげで超低金利の恩恵を受けているといえる。

今後の住宅ローンの動向を考えると、景気がよくなれば金利は高くなるが、さまざまな世界経済の兼ね合いで日本経済は景気がよくなっているとはいえず、政策金利は0.1%のまま推移すると見られている。したがって、住宅ローン金利もしばらくは超低金利を維持するといえよう。

住宅ローンの金利の選び方

固定金利、変動金利は、どちらにもメリット・デメリットがある。どちらがいいかはケースバイケースであり、コストとリスクのバランスをとりながら選ぶのがよいだろう。

金利は、固定期間が長くなるほど高くなるのが一般的だ。固定金利は収入が安定していて資金計画をしっかり立てられる方におすすめだ。金利は若干高くなるが金利の変動がないため返済の予定がたてやすい。一方、変動金利は低い金利がメリットで、積極的に繰り上げ返済をして支払い期間を短くしたいという方におすすめといえる。それぞれの特徴を上手に利用しながら総合的に判断したい。

なお、住宅ローンは借り換えをすることによって総支払い額を圧縮することができる場合がある。その借り換え時に金利タイプの変更ができるため、自分の返済計画に合わせて適切な金利タイプを選ぶようにしたい。

数年前に2%や3%の金利で住宅ローンの借り入れをしている方にとっては、マイナス金利を受けて超低金利の今は借り換えを行う大きなチャンスといえそうだ。35年間の返済で3000万円の借り入れをした場合、ボーナス返済なしで月々11万円ほどの支払いであるが、借り換えによって金利が0.8%ほどになれば月々9万円ほどの支払いとなる。ぜひともこの金利を活用したいところだ。

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