生命保険,控除,確定申告
(写真=PIXTA)

会社員の方は年末調整の時期になり、会社から「生命保険料控除証明書」の提出を求められる時期になってきたのではないだろうか。

この年末調整とは所得税と住民税の計算の為に行われることで、会社員以外の方は確定申告により年間の所得を明らかにしなくてはならない。年間の所得に応じて、所得税と住民税が決まるのだが、会社員の方は月々の給与で暫定的に先払いをしている。


生命保険料の控除とは?

しかし、1年間の給与の中から生命保険や地震保険などを支払っている場合には、その金額を差し引いた金額が正式な所得となり、その金額で正式な所得税などの金額が決まるので、年末調整をする事で、払い過ぎた税金を返してもらわないといけないのだ。

その手続きをするために生命保険料控除と言うものが必要になってくるのだ。

生命保険料控除額の計算方法

それでは、生命保険料控除の計算方法を先に説明していこう。

計算式は以下の通り

(年間所得-生命保険料控除額)×所得税率=所得税

この式が所得税の計算方法になる。

ちなみに、所得税における生命保険料控除は、1年間に支払った保険料のすべてが控除の対象になるわけではない。

下記の表が控除額の上限になり、平成24年1月1日以前の契約を旧制度での計算になり、以降の契約は新制度での計算になる。

旧制度 新制度
控除上限 合計10万円まで 合計12万円まで

控除制度

一般生命保険料控除

控除対象:死亡保険・医療保険・学資保険

控除上限:5万円

一般生命保険料控除

控除対象:死亡保険・学資保険

控除上限:4万円

介護医療保険料控除

控除対象:医療保険

控除上限:4万円

個人年金保険料控除

控除対象:個人年金

控除上限:5万円

個人年金保険料控除

控除対象:個人年金

控除上限:4万円

また計算方法は下記の表のようになる

旧制度での控除額の計算方法

1年間で支払った保険料 控除額の計算方法
25,000円以下 保険料の全額
25,001円~50,000円 保険料×1/2+12,500円
50,001円~100,000円 保険料×1/4+25,000円
100,001円~ 一律50,000円(上限)

新制度での控除額の計算方法

1年間で支払った保険料 控除額の計算方法
20,000円以下 保険料の全額
20,001円~40,000円 保険料×1/2+10,000円
40,001円~80,000円 保険料×1/4+20,000円
80,001円~ 一律40,000円(上限)

自分の保険契約がいつからの契約かを確認して、該当の計算方法で計算してみてほしい。

生命保険料控除を受けるための手続き

生命保険料控除を受けるための手続き方法も会社員と会社員以外の方で違い、会社員の方は年末調整時に「給与所得者の保険料控除等申告書」と、保険会社が発行する「生命保険料控除証明書」の両方を会社に提出する方法である。

会社員以外の方は、翌年の2月16日から3月15日までの間に行う確定申告時に、「生命保険料控除証明書」を税務署に持っていく事で手続きが出来る。

この手続きで重要なのは、生命保険会社が発行する「生命保険料控除証明書」である。

ちなみに、もし紛失してしまった場合などは、再発行をしてくれるので、保険会社に問い合わせてみよう。

生命保険料控除を上手に使うコツ

生命保険料控除で、所得税と住民税が安くなるのだが、平成24年1月1日以降の税法改定で、控除金額の上限金額が12万円までと多くなったのを上手く活用しなくては行けない。

先ほども書いた通り、旧制度では一般生命保険料控除額が5万円であり、その対象は死亡保険・医療保険・学資保険の3つの保険が対象であった。

しかし税法改定により、医療保険は介護医療保険料控除の対象になり、死亡保険・学資保険とは別口になっている。これは平成24年1月1日以降に新たに結んだ契約が対象であるので、医療保険の見直しなどを検討しているのであれば、それまでの上限額以上の控除額が見込めることになる。

死亡保険・学資保険の控除額の上限は、今までよりも1万円下がるが、医療保険が別口なので、5万円から8万円に控除額が増えることになるからだ。

生命保険と相続税の関係

生命保険は掛け方により、相続税・所得税・贈与税と掛かる税金が変わる。

生命保険は掛け方を間違えると、贈与税になってしまい税率が高く設定される。死亡保険金の金額によっては半分以上を税金として支払わなければいけなくなるケースもあるので、死亡保険を掛ける際には、保険料負担者と死亡保険金受取人の関係性はよく考えておくことをお勧めする。

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