ふるさと納税という言葉をよく聞くようになったが、ふるさと納税はとりあえず良いらしいというイメージだけが残ってしまい、どのようにお得なのか、なぜお得なのかというところまでは知らない方が多い。ふるさと納税についてよく知れば、あなたも利用したくなるかもしれない。また、必要な事務手続きもあるのでそのあたりは知っておく必要があるだろう。
ふるさと納税の仕組み
ふるさと納税とは、自分の好きな市町村に寄付をする制度のことだ。納税と付いているが、つまり寄付金の事である。このふるさととは自分が住んでいる必要もなく、家族や親族の出身地など過去につながりがなくても大丈夫である。
自分の好きな市町村、応援したいと思える市町村、自分の好きな特産品を作っている市町村など、選ぶ基準はひとそれぞれだ。寄付をすると税金が控除され、寄付した地域からお礼の品として美味しいお肉やお魚などがもらえる。
ふるさと納税のメリットとは
いくつかメリットはあるが、まず一つ目のメリットは、寄付をする事で好きなお礼をもらえること。続いて二つ目のメリットは、税金を控除できること。三つ目は、自分の好きな地域をサポートできることだ。
寄付をした自治体から、お礼状や特産品などが贈られる場合がある。多くの自治体が寄付に対する特典を用意しているようだ。旬で産地直送の新鮮な農産物や水産物が選べる他、観光施設の優待券や、○○体験なども特典として用意している自治体もある。たくさんの種類があるので選ぶ楽しみがある。
寄付先や寄付金の使われ方を選べるのも魅力のひとつだ。自分の寄付したお金がどのように使われるかがわかると、その地域に愛着も湧いてくる。
ふるさと納税してから税金を控除されるまでの流れは以下の通りである。
STEP1 好きなお礼を見つけて寄付をする
STEP2 その地域からお礼が届く
STEP3 確定申告を行う。その後、所得税控除の還付金が入る
STEP4 住民税通知が送られた際に、さらに控除される
ふるさと納税にデメリットはあるのか
メリットが多いように思えるふるさと納税だが、デメリットはないのだろうか。欲しいと思っていた特典が売り切れてしまった場合がある、というデメリットがある。商品は限定であり、還元率が高く、人気のある商品はすぐに売り切れてしまう。
また、すべての地域がふるさの納税の対象地域とはなっているわけではなく、自分がサポートしたい地域が見つからない、欲しい特典がない、ということもあるだろう。
寄付額がわかりにくいというのもデメリットだ。寄付額は年収や家族構成など人によって異なっており、少し分かりづらい。控除額は所得税と住民税から決まってくる。つまり、年末にならないと正確な金額がわからない。
手続きが少し面倒くさいのもデメリットだ。サラリーマンでも確定申告をしなければならず、普段確定申告をしていない人にとっては手続きがわかりにくく、デメリットになるだろう。確定申告をしなくてもよい方法に、「ワンストップ特例制度」を利用する方法がある。
確定申告しなくて良いのは楽だが、自治体から郵送される寄付金税額控除申請書を提出しなければならず、年収が2000万円以内、1年間の寄付先が5つまで、といった制約もある。
どうして高還元率の商品があるのか
寄付のお礼なのに高還元率の商品があるのはなぜか。それは、ふるさと納税によって自治体にもメリットがあるからだ。寄付金が増えれば、自治体の行政予算を増加させることができる。そして、ふるさと納税の利用により寄付金が増えれば、その地域を活性化させることもできるからだ。
ふるさと納税のお礼商品が人気になれば、特産品を生産、製造するために、新たな雇用を生み出すことが地域の活性化へとつながっていく。その特産品の製造が衰退するかもしれなかったが、この制度によって有名になって盛んになることも考えられるだろう。
ふるさと納税によるメリットは、自治体の知名度が向上する、という面もある。特産品も有名になれば、ふるさと納税による効果はさらに大きくなる。
高還元率で人気のお礼商品
商品内容もさることながらいくらの寄付でどのようなお礼がもらえるか、つまり高還元率の商品はどれなのかが気になるところだ。
ふるさと納税先として人気がある市町村の1つに宮崎県都城市が挙げられる。この市は、農業や畜産に力を入れている地域で、そのお礼として貰える特典にも多くの宮崎牛や高級黒豚がそろっている。
例えば、2万円の寄付で宮崎牛(都城産A4ランク)のロース焼肉用 500gとロースサイコロステーキ 500gがもらえる。それぞれが1万円以上で販売されていることを考えると、送料込みで寄付金と同じかそれ以上の金額の商品がいただけるのは、高還元率だと言える。
ふるさと納税は理解して利用するととても良い制度だ。得すると思って手続きをしたのに、メリットがなかったというのは何かの手続きを忘れている可能性がある。どのようになるのかシミュレーションサイトを活用したり、地域の役場で確認したりすると確実だろう。