第4次産業革命真っただ中の近年、就職環境に大きな変化の兆しが現れている。世界経済フォーラム(WEF)は最新レポートの中で、現在重要視されているスキルの3分の1が従来の価値を失い、「2020年までに500万件の職が失われている」との見解を示した。

すでに「労働者が提供しているスキル」と「市場が求めるスキル」には差が生じ始めており、さらなる拡大が見こまれている。キャリア・アドバイザーなどにも、こうした時代の変化に目を向けたサポートを行うことが必須となりそうだ。

WEF「現代の小学生の65%が、まったく新しい職業に就く」

この調査は2015年上半期に、国際大手371社のCHO(最高人事責任者)やエクゼクティブを対象に実施された。広範囲にわたる見解を把握するために、金融からメディア、エネルギー、医療など、15分野から回答を得ている。

44%の回答者がすでに「労働環境の変化」を感じており、主にデジタル革命によってもたらされた変化が今後ますます強まると確信している。

デジタル革命の中で最大の影響をもたらしているのは「モバイル・インターネットとクラウド技術」で、34%が2017年にかけて改革のピークを迎えると予想している。そのほかビッグデータ(26%)、再生エネルギー(22%)、IoT(14%)なども、同時進行というかたちで労働環境に導入されていくと見ている。2018年から2020年にかけては、「AI(人工知能)やロボットによる自動化が急激に発展する」との意見が多い。

こうした変化にともない、必然的に拡大あるいは縮小される分野がでてくるはずだ。2015年から2020年の成長予想率を見てみると、最も期待できるのは情報数学分野で平均3.21%伸びると期待されている。中でも新興市場の中間層は大きく飛躍しそうだ。

逆に危機に直面する可能性が最も高いのは事務管理職。成長予想率はマイナス4.91%。2020年までに476万人の削減が予想されている。製造分野もマイナス1.63%で16万人が失職しそうな気配だ。

将来的に全産業の需要を独占する2大分野としては、「データ分析」と「特定の分野の販売代理人」が挙げられている。データ分析がデジタル化に欠かせない職種であることはいうまでもないが、「販売市場があるかぎり、顧客と企業間の架け橋となる人間の存在は必須」という企業側の考えに若干胸をなでおろす心地だ。

しかし安心するのはまだ早い。いずれは「ロボット販売代理人」を普及させるレベルにまで、テクノロジーが追いつく可能性も高い。「現代の小学生の65%が、まったく新しい職業に就くようになる」というWEFの予想が現実のものとなるのであれば、将来を担う次世代スキルの取得が欠かせないものとなるはずだ。( FinTech online編集部

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