日経平均予想,年末予想,米利上げ
(写真=PIXTA)

世界中から注目を集めた米大統領選挙は、大方の予想を覆してトランプ氏で幕を下ろした。11月9日の日本市場は米大統領選の評価が一番に反映する市場として注目され、トランプ氏のリードとともに日経平均は急落し一時1000円安、ドル円も105円台から101円台まで急落した。

ただ、トランプ氏の勝利が決定し、勝利宣言が好感されると、為替も日経平均も一日で元のレベルまで戻してしまった。年内最大のイベントをクリアした現時点での年末の日経平均を予想してみたい。

米国が12月利上げに踏み切ればもう一段の円安も

トランプ氏が勝利した場合、「トランプリスク」により、世界の株は大きく下げ、円高になると見られていた。急落後急騰の裏には、トランプリスクを想定したヘッジファンドのショートがかなりたまっており、トランプ氏の勝利でショートポジションを一気に買い戻したことにあるようだ。買い戻しと新規買いを交え、米国株は史上最高値を更新する動きとなった。

市場が最も懸念したイベントをどうにか通過した後、12月13日〜14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で連邦準備制度理事会(FRB)が利上げするかどうかが年内最後のイベントとみられている。

トランプ大統領就任で米国の利上げについては話題の蚊帳の外になっているが、トランプ大統領就任が決定すると米長期金利が急騰、債券市場で10年物国債の利回りが約9カ月ぶりに節目の2%台に上昇した。トランプの財政拡大策を懸念したものだ。日米金利差が拡大し、一気にドルが買われ円安が進んだ。CMEのフェデラルファンド金利先物市場のトレードから推定される12月の利上げ確率は71.5%と高止まりしたままだ。

実際に利上げが行われれば、さらに日米金利差が拡大し、もう一段の円安要因となる可能性がある。ドル円は15年6月の125円台から16年6月の99円台まで下げた。年内は、半値戻し112円を意識しながら105〜110円のレンジで推移すると見ている。