米国株はハネムーンで堅調か

トランプの勝利とともに米議会は上下院とも共和党が勝利しており、ねじれリスクは解消した。新大統領は、真っ先に国内インフラ投資を約束した。さらに、法人税率引き下げ、海外の企業滞留資金の引き上げ、国防支出増、個人所得減税などのリフレ政策を進めていくとの見方が強い。

米大統領選の年は、選挙終了後の11~12月頃から米国株が上昇力を強めるというアノマリーがある。新しい政策期待が先行すること、また、米大統領就任後3か月間は、ハネムーン期間と言われ、メディアによる米大統領バッシングが禁止されることから、株は上がりやすいというアノマリーだ。

日本企業の業績も円安で底打ち

現在発表中の上場企業の2016年9月中間決算は、4年ぶりの減益となる見通しだ。SMBC日興証券が東証1部に上場する3月期決算の企業1302社(金融を除く)のうち、11月2日までに決算を開示した607社(全体の47%)についてまとめたところ、売上高は前年同期比6.6%減、営業利益は11.9%減、税引き後利益は20.7%減だった。

ただ、業績のリビジョン・インデックス(3ヶ月前に比べて上方修正した企業数から下方修正した企業数を引いた指数)は底打ちして上昇し始めている。円安トレンドに転換したこともあって企業業績は今上期で底打ちする可能性が高そうだ。

たとえば、日本を代表する企業のトヨタ <7203> は11月8日に中間決算を発表。ドル円が前年同期の122円から105円となった円高の影響で売上が前年同期比7%減、純利益も25%減と5年ぶりの減収減益となった。ただ、通期のドル円レートを102円の前提から103円に見直したことで、通期の純利益予想を1兆4500億円から1兆5500億円に上方修正した。 トヨタに続く通期業績の上方修正が増えてくるだろう。

企業業績からは日経平均「1万8000円」へ

日経平均採用企業の日経予想ベースの一株あたりの利益(EPS)は現在1190円程度。日経平均の今期の予想EPSは一時、1150円程度まで下げた後、戻しはじめている。現状の為替水準から考えると少なくとも今期のEPSは1200円程度までは上方修正されそうだ。

過去の日経平均の平均的なPERは15倍程度。1200円のEPSに15倍を当てはめると1万8000円。これが日経平均の落ち着きどころになるだろう。さらに円安が続きEPSが上乗せされるか、日本株の外人買いが復活し、15倍以上のバリュエーションまで買われるのなら、日経平均の1万9000円もありえるだろう。

今年9月までで6兆円売り越した外国人投資家が、10月以降5000億円程度買い越している。米国株が高値圏にあり、欧州はまだBREXITの影響が見えにくいとなると、低金利を続けている日本市場からさらに資金を引き揚げるとは考えづらい。

日経平均は今年2月の急落後どうしても抜けなかったボックスの上限17500円をトランプの就任後に出来高を伴って抜いてきた。日本市場にも年末高のアノマリーがある。円安、米株高が年内続き、日経平均のEPSが切り上がっていくのなら、当面の日経平均のレンジは1万7500円〜1万9000円となる公算が強そうだ。(ZUU online 編集部)

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