世界最大のプロミキティー・ネットワーク「Proxbook」が、「2017年は空港産業の劇的な向上が期待できる」との見解を第3四半期市場レポで示した。

Proxbookは現在米国の主要空港20カ所に設置されているビーコン(Bluetoothの発信機)が、2019年までには全世界で84%の空港にまで拡大予定である点に注目。ビーコンネットワークを空港内部・外部に確立させることで、消費者サービスの向上から空港内での消費促進まで、空港産業を次の段階に押しあげることが可能になるという。

ビーコン技術で「飛行場」を「マルチ娯楽空間」に

2013年にAppleが発表した「iBeacon」で知られるようになったビーコン技術だが、Google、Facebook、Twitterといった国際大手がこぞって導入しているにも関わらず、世間での認識度はまだまだ低い。

ビーコンとはBluetooth信号を規則的に発信する通信技術だ。同じ通信技術のNFCよりも発信距離が長く消費電力が低いのが特徴である。これらの技術は総合的に「プロミキティー(接近)」と呼ばれている。

多くの企業はビーコン・ネットワークを利用して、消費者にクーポンやナビゲーション・サービスを提供すると同時に、配信先の消費者データも収集している。こうした利点を最大限に活用し、空港を「単なる飛行場」から「マルチ娯楽空間」に創り変えるという発想だ。

まずは空港での搭乗手続き。すでにiPhoneのアプリ「Passbook」などを利用したスピードチェックインが一部の空港や航空会社で可能になっているが、ビーコン・ネットワークの拡大によりさらなる普及が期待できる。

Proxbookの調査では、8割の米消費者が「空港・駅などでの切符の発行よりも、モバイルデバイスですべて管理したい」と回答。「手数料などが少々高くなっても構わない」という消費者も見られるなど、デジタル化への需要がますます高まっている。

次に期待できるのは
空港での消費促進だ。セキュリティーチェックの強化などで、搭乗までの待ち時間が年々長引いている。時間つぶしを余技なくされる乗客から送迎目的に空港を訪れた人々まで、幅広い層に空港施設の情報やクーポンを配信することで、ショッピングや飲食施設の売上げを大幅に伸ばすことも可能になるだろう。

米インターネット・マーケティング会社、ウナキャストのトーマス・ウォーリーCEOは、「米消費者のBluetooth利用率がここ数年で急激に伸び、50%に達している」と報告している。多くの消費者がモバイルで日常のタスクを達成することに興味を示している、

ビーコン技術で空港が可能性あふれるビジネスの場に生まれ変わる。実現すれば空港産業に革命的な発展をもたらすだろう。(ZUU online 編集部)

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