(画像=Webサイトより)
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FinTech(フィンテック)は、今後、需要が増える分野として注目を集めており、求人も増えている。新しい分野で自分を試したい人にとっては気になる領域だが、様々なジャンルがあるため、しっかりと知識をつけ、自分のスキルがどのジャンルにマッチするのかを考える事が必要だ。そのため、この分野の仕事の理解に役立つ書籍をいくつか、ご紹介しよう。

業界第一人者による入門書『FinTech入門』

51tlP6XXKuL._SX338_BO1,204,203,200_ (辻庸介・瀧俊雄著、日経BP社、単行本1728円、Kindle版1600円)

FinTech業界の先駆的企業、マネーフォワードのCEOと取締役による入門書。実際にビジネスに関わっている2人が書いた本で、なぜFinTechが注目されているのか、その背景や技術について、具体的な事例とともに丁寧に紹介されている。特に著者の瀧俊雄氏はFintech研究所長でもあり、各種イベントでは必ずといっていいほど講師やパネリストとして参加している第一人者だ。

書籍はテーマ別にトピックを紹介。個人資産管理(PFM)、企業会計、経営/業務支援、資産運用、融資、ソーシャルレンディング、クラウドファンディング、決済、保険、不動産、ブロックチェーン、分散型台帳、仮想通貨、セキュリティなど、関連の話題はほぼ網羅されていると言える。最前線の企業のURL、用語の索引があるため、初心者はこの本を辞書的に使う事も可能だ。

日経コンピュータなどの連載をまとめた『FinTech革命~テクノロジーが溶かす金融の常識~』

51ajaJaK9KL (日経コンピュータ、日経BP社、単行本2052円、Kindle版1900円)

2015年に日経コンピュータやIT Proへ掲載された記事に一部描き下ろしを加えてまとめた一冊。FinTechによって、「個人財務管理」、「融資」、「決済」、「投資支援」、「経営・業務支援」、「暗号通貨」の6つの分野で私たちの生活が便利になった背景や過程などが解説されている。説明に図表や写真を多用しているため、概要を短時間で理解したい人にお勧めの内容だ。

金融機関勤務者にも、そうでない人にも『フィンテック 金融維新へ』

41NTlx6a93L._SX348_BO1,204,203,200_ (アクセンチュア株式会社、単行本1944円、Kindle版1800円)

フィンテックが単なる技術でなく、「新しいビジネスモデル」であるという側面に注目した本。金融が様々なサービスに取り込まれる事により、顧客の利便性が圧倒的に上がる、などFinTechの長所についても述べているほか、伝統的な金融機関のビジネスの仕方に警鐘を鳴らす。今後、金融機関が生き残るにはどのような発想、戦略、組織の革新で対応すべきなのかを解説している。

金融機関を担当するコンサルタントが書いた本のため、消費者、現在金融機関に働く人の両方が読んで、勉強になる読み物となっている。

海外で最前線を取材『FinTechが変える! 金融×テクノロジーが生み出す新たなビジネス』

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(小林啓倫著、朝日新聞出版、単行本1620円、Kindle版1200円)

フィンテックは日本より欧米のほうが進んでいる。筆者は海外で現地取材をし、最前線の状況を紹介している。現在起こっている事象の解説に留まらず、お金と社会の未来像を描いている。

金融機関の役割の変化についても言及。保険会社による「InsTech」、ソーシャルレンディングやクラウドファンディングなどの新しいお金の借り方/資金の集め方などを紹介している。

FinTech関連の本は、単なるキーワードの解説に留まってしまうものが多いが、本書は、今後、どのような新しいビジネスが生まれるのか、FinTechによって無くなる既存の仕事等について解説をしており、読み応えのある内容となっている。

文庫で手軽におさえる『フィンテック』

413OvIyHIkL._SX303_BO1,204,203,200_ (柏木亮二 日経金融文庫、新書972円、Kindle版900円)

文庫だけに短くコンパクトにまとまった解説本。初心者が短期間にFinTechを理解するのに役立つ。

米国の事例が多く紹介されている。リーマンショック、ミレニアル世代の台頭、スマートフォンとソーシャルネットワークの普及、企業のITシステムの変化などを背景としてFinTechが盛んになり、あらゆる金融サービスの機能が分解(アンバドリング)され始めていることが述べられている。ローンの返済能力の審査や契約書や担保登記などあらゆる場面でFinTechは登場しており、金融機関では売上や雇用の減少が予想されている。

このほかにもフィンテックや金融におけるイノベーションについて紹介した書籍は次々と出版されているが、まずはこの5冊を読んでみてはいかがだろうか。

金融やITなどFinTechに直接関係する業界はもとより、今後どの業種、職種で仕事をするにも、フィンテックに関する知識をつけて、状況を知る事は欠かせない。「なんとなく知っているけど、よくは知らない」というフィンテック。是非ここで紹介した本を読んで、得た知識を日々の仕事や転職活動などで活用してほしい。( FinTech online編集部

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