breath
(写真=PIXTA)

心身のバランスを維持するためには、自律神経の安定が不可欠だとされています。自律神経を安定させるためには正しい方法で呼吸することが重要です。

ここでは、正しい呼吸を助ける簡単なトレーニング法などをお伝えします。

私たちの健康のカギは自律神経

食生活の欧米化や不摂生など、健康を損なう要因は数えきれません。一方、仕事や人間関係のストレス、余裕がない状況は気持ちを追いつめます。そしてこれらが複雑に絡み合い積み重なることで、自律神経のバランスを崩します。その結果、さまざまな疾患を招きやすくなるのです。

私たちの健康と自律神経は、切っても切れない間柄にあります。なぜなら、臓器や細胞が休むことなく機能しているのは、すべて自律神経の働きのおかげだからです。

自律神経を構成するのは昼間に活発になる交感神経と、夜間に優位になる副交感神経です。

この相反する2つの神経のバランスが健康を維持するためのカギを握っています。リラックスしたストレスの少ない状態を保つためには副交感神経が優位である状態が理想的だとされています。

逆にいえば、自律神経が優位である状態が続くと、体の各部分の働きが悪くなり、健康から遠ざかっていってしまうということです。疲れやストレスもたまりやすくなり、心身ともに不調な状態が長期間続くことになるでしょう。

「正しい呼吸」が健康維持に効くワケ

副交感神経を優位にするために効果的といわれているのが、呼吸法の見直しです。呼吸とは体内に酸素を取り込み、不要になった二酸化炭素を体外へ排出することです。このような仕組みがなぜ必要なのかというと、新鮮な酸素には免疫力をアップさせ、自律神経のバランスを整える働きがあるとされているからです。

このとき、体内に取り込む酸素の量が少ないと、免疫力が下がって自律神経のバランスが乱れやすくなります。体や精神の不調でストレスフルな状態になると呼吸が浅くなり、ますます酸素不足になります。自律神経のバランスも乱れがちになるなど、悪循環を招いてしまうでしょう。

この悪循環を断ち切るのに有効だとされているのが、深く長い「正しい呼吸」です。胸式呼吸をいわゆる腹式呼吸に変えることで、鼻から息を吸い込むときに肺の下にある横隔膜が下がって肺の膨らむスペースが広がり、よりたくさんの酸素を取り込めるようになるのです。

心身のバランスが整う「正しい呼吸法」

酸素を取り込むというと、空気を「吸う」動作のほうに集中しがちですが、腹式呼吸では「吐く」動作も同じくらい大切です。

腹式呼吸は鼻からゆっくり息を吸い込み、口から息を細く長く吐き切る呼吸法です。これを正しく行うためには、横隔膜をスムーズに動かせるように鍛えておくことが重要になります。気軽に続けられる、簡単なトレーニングを紹介しましょう。

1. 本や雑誌など重めの物を用意します。
2. 仰向けになり、横隔膜が動きやすくなるよう膝を立てます。
3. おへそより若干上に重めの雑誌などを置き、ゆっくりしっかり深呼吸します。
4. 息を吸い込んだ時に雑誌などが持ち上がれば、上出来です。息を吐くときは、口から、細く長く吐き、お腹に乗せた物も少しずつ元の位置に戻していきます。

はじめは軽めの雑誌などを置いて行いましょう。目安としては1日10回くらいで十分です。慣れてきたら本や雑誌の冊数を増やしたり、トレーニングの時間を延ばしたりして、少しずつ負荷をかけていきましょう。

私たちは1日に約2万回もの呼吸をしているといわれています。普段は何気なくしていることだからこそ、意識して行えば効果が出るのも早いはずです。毎日を生き生きと過ごすためにも、正しい呼吸法を身に付けて心身のバランスを整えてみてはいかがでしょうか。(提供: ヘルスグリッドオンライン

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