日本が世界で2番目に資産額100万ドル(約1億1327万円)以上の富裕層が多い国であることが、クレディスイスの「グローバル・ウェルス・レポート2016」から判明した。
この層は富のプラミッドの頂点に位置し、世界成人人口のわずか0.7%と最も希少な層であるにも関わらず、世界資産の46%を所有している。2016年の世界富裕層は3293万1000人。2015年から2016年にかけては59万6000人増えた。
今回返り咲きとなった日本は、長年米国に次ぐ富裕層世界2位の座を維持してきたものの、2014年からは英国に追い越されていた。しかし再び勢力を取り戻し、過去1年間で73万8000人もの富裕層を創出。米国(28万3000人)やドイツ(4万4000人)を大きく引き離し、世界最高の伸びを見せた。
以前は13%前後の超富裕層率を維持していただけに、9%という数字はまだまだ「本調子」にはほど遠いのかも知れない。富裕層の割合は低いが、ニュージーランド(富裕層数16万6000人/3万3000人増加)、ベルギー(30万7000人/1万6000人増加)なども、着実に増加傾向にある。
一方今後が懸念されるのは英国だ。かろうじて3位を維持しているが、減少率では世界一である。過去1年間で40万6000人の富裕層が消え、日本に2位の座を返還している。
次いでスイス(5万8000人減)や中国(4万3000人減)などで衰えが見られるが、これらの三カ国では資産額500万ドルから1000万ドル(約5億6605万円から11億3210万円)の超富裕層の割合が非常に高い。超富裕層ランキングではトップ5にはいっており、逆に日本は7位という結果である。裏を返せば、所得格差がますます拡大しているということになる。
資産1億円クラスの富裕層が多い12カ国と全体の割合
12位 台湾 1%(富裕層人口35万6000人)
11位 スペイン 1%(38万6000人)
10位 韓国 2%(非公開)
10位 スイス 2%(71万6000人)
9位 オーストラリア 3%(106万人)
8位 カナダ 3%(111万7000人)
7位 イタリア 3%(非公開)
6位 中国 5%(159万人)
5位 フランス 5%(161万7000人)
4位 ドイツ 5%(163万7000人)
3位 英国 7%(222万5000人)
2位 日本 9%(282万6000人)
1位 米国 41%(1355万4000人)
(ZUU online 編集部)