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(写真=PIXTA)

日本人は、いつからか「サプライズ」好きになった。プロポーズや、挙式でのサプライズはもはや定番になっていると言ってもいいだろう。しかし、いざ結婚が決まると、待ち受けている最大の「サプライズ」は、結婚にかかる費用である。

年々、結婚式にかける費用は減少傾向にあるが、それでも人生においては、大きな出費となる行事の一つである。縁起を担ぐためにケチケチしたくないという人も多いだろう。

ここでは、結婚に関わる費用について、一体いくら準備しておけば十分なのか、その目安を解説していく。


結婚にかかる費用の平均内訳

ゼクシィによると挙式・披露宴費用の全国平均は、挙式、料理・飲み物、スナップ写真、ビデオ撮影、引出物・引菓子、衣装、装花を含め、359万7000円(招待人数71.6人)となっている。中でも、飲食費平均は122万9000円で、全費用のおよそ35%を占める。もちろん、これらの数字は全国平均であり必ずしもこの金額が必要となるわけではない。

しかしながら、これはあくまでも挙式・披露宴の費用であり、その他に結婚前の両家の顔合わせや結納、エステなどの美容関係費用、新婚旅行、新生活のための費用などが必要になる。最近では、結納を行わないケースが多いが、会場費等を含めた結納金の相場は100万円強になる。そして、新婚旅行費は約61万円、新生活のためにかかる費用は約72万円が平均である。

データ出典: ゼクシィ 結婚トレンド調査2016調べ 新生活準備調査2016(リクルートブライダル総研調べ)

結婚資金としての貯金の目安

こちらもゼクシィのデータによると、ふたりの貯蓄額の平均はおよそ300万円だ。それに加え、ご祝儀と親・親族からの援助を差額に充てることになる。顔合わせから始まり、全ての結婚にまつわる費用を合計すると、場合によってはそれでも足が出る可能性があるため、 可能な限り貯蓄をしておくことをお勧めしたい。何より、花嫁の希望を叶えてあげられないという寂しい結果にならないよう、心構えをしてほしい。

親の援助、親族のご祝儀

親族の場合、ご祝儀は、友人などよりも多い金額を包むというのはご存じのことだと思う。友人などの場合、ご祝儀として包む額は3万円が一般的だ。挙式内容にもよるが、仮に友人だけが列席した場合で費用を計算すると、明らかに「赤字」である。その赤字分を、親族からのご祝儀、親からの援助、自己資金で賄うイメージだ。

親・親族からの援助の平均は189万4000円である。これは、挙式・披露宴にかかる平均額の52%を賄う計算になる。残りの48%には自己資金(平均貯蓄額300万円)とご祝儀を充てることになる。平均的な結婚式、もしくはシンプルな結婚式であれば、黒字になる可能性もあるだろう。しかし、結婚式場で提供されるもののほとんどが、いわゆる「婚礼価格」である。さらに、ドレスに少しこだわりたい、食事をランクアップしたい、などとなれば、すぐに予算オーバーになるだろう。ポイントは、自分たちの結婚式において「何を優先したいか」を明確にすることだ。そして、優先したい部分と妥協しても良いという部分を合わせてリストアップし、ふたりで十分に話し合って準備を進めていくことが大切だ。

結婚費用の節約方法

結婚式場は「大安や友引は高い」という話がある。それは、事実である。確かに、当人たちにこだわりがなくても親に言われて、大安に挙式を挙げざるをえないという場合も多いようだ。しかし、それだけでかなり「割高な結婚式」になることを覚悟しなくてはならない。反対に日柄にこだわらなければ、同じ会場、同じ時間でありながら数十万円の節約が可能な場合がある。まずは、親を説得してみるのも一つの手だ。

そして、複数の式場から見積もりを取ることが基本中の基本である。ブライダル業界は、結婚式の減少、人口減少により減退している。少し安くしてでも利用してもらいたいという式場も多い。見積もりをうまく活用し、価格交渉を行ってみてほしい。

結婚資金を貯める方法

結婚資金のための貯蓄を始めるのは、相手が見つかってからでは少し遅い。結婚をしたいと思った時から、貯金を始めることをお勧めしたい。結婚についてのライフプランを立てることは簡単なことではないが、結婚したいと思う年齢から逆算して、少しずつでも貯金をする必要がある。

貯金が苦手な人は、給料天引きの定期預金などを活用し「確実に貯めることができる手段」を選ぶことが近道である。また、新生活を始めるには思いもよらぬ出費があるものだ。結婚式で全ての貯金を使い切るのではなく、その後の生活もイメージして余裕のある金額を目標にするのがいいだろう。

まずは理想の結婚式を具体的にイメージする

多くの人にとって、結婚は人生に一度きりである。お金の心配をせずに、人生の晴れ舞台を楽しむためには事前の準備が欠かせない。日本には「縁起」という言葉がある。縁起を気にしてばかりいると出費がかさむのが結婚式だが、全く気にしないというのもなかなか難しいというのも事実である。自分たちの思い描く理想の結婚式をイメージし、それを実現するためにはどれくらいの資金が必要なのか、予め調べておくことが必要だ。そして、その中で工夫することで節約できるものはないかと考えてみてほしい。

結婚式はふたりで共に歩く人生のスタートである。子供が生まれれば、また多くのお金が必要になる。今回紹介した金額を目安に、その後の生活も具体的にイメージし、余裕のある貯蓄を心がけてほしい。