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(写真=PIXTA)

生まれた子どもという1人の人間を大人になるまできちんと育てるにはお金がかかる。子どもに必要なお金にはさまざまなものがあるが、その中でも育児資金と教育資金に注目し、どのくらいかかるのか、そのためにどのように貯めることができるのかを探っていこう。

目次

  1. 子育てにかかる平均額
  2. 育児資金の目標額と貯める時期
  3. 教育資金を貯める計画の立て方
  4. 子供の将来のために

子育てにかかる平均額

AIU損害保険が2005年に発表した試算によると、子どもが生まれてから大学を卒業する22歳までにかかる基本的な養育費の平均額は約1640万円だ。内訳をみると、出産・育児が約91万円、食費が約671万円、衣料費が約141万円、保健医療・理美容費が約193万円、お小遣いが約451万円、子どもの私的所有物代が約93万円となっている。

教育費については、どの学校を選ぶか、大学でどの専攻を選ぶかによって異なるが、公立幼稚園・公立小学校・公立中学校・公立高校・国立大学を選択する場合で約1345万円、私立幼稚園・公立小学校・私立中学校・私立高校・私立大学医歯系に進むなら約4424万円かかると見積もられている。もし浪人や留年したり、留学や個人教師による教育を受ければ、さらに高額な教育費がかかることになるのだ。

単純に計算しても、すべて国公立系の学校に進学する場合でも子どもが生まれてから大学を卒業するまでに約2985万円、私立中高や医歯系の私立大学に進むなら約6064万円もかかるというわけだ。

育児資金の目標額と貯める時期

前述の試算では、出産・育児にかかる費用は約91万円と見積もられているが、物価上昇なども加味すると出産育児資金として100万円は用意しておきたい。出産の際には、加入している健康保険組合から出産育児一時金として42万円を受け取ることができるので、差額の58万円を準備しておけば、不安を少なくして子どもの誕生を待つことができるのではないだろうか。

また、出産後の育児休業をどの程度の期間取得するかも考えておかなくてはならない。子どもが満1歳になるまでは雇用保険から育児休業給付金を受け取ることができるが、給付金は、育児休業後6カ月は通常の日給の67%、それ以降は通常の日給の50%となるので、一時的に収入が減ることになる。その減少分を補うための預貯金も必要になるだろう。

教育資金を貯める計画の立て方

教育資金の準備は、子どもがまだ幼く教育費が比較的かからない時期から始めることが必要だろう。ほとんどの学資保険は子どもの誕生時から加入可能だ。かんぽ生命保険の「はじめのかんぽ」のように出生予定日の140日前から加入できるものもある。中学・高校・大学に入学したタイミングでそれぞれ祝い金を受け取ることができるものや、大学入学時期を満期としてまとまった保険金を受け取ることができるものなどもある。

子どもの進路によって必要な金額は異なる。なるべく多くの選択肢を子どもに与えたいと思うなら、相応の金額を準備しておく必要があるだろう。どれくらい貯めたらいいのかわからなければ、最もまとまった金額が必要となる入学金を目安とするといいだろう。私立中学や私立高校に入学する場合はそれぞれの入学金の合計額、大学だけ私立にする場合は大学入学時に必要な資金を目標に定めよう。

子供の将来のために

子どもが将来本当にしたいことや行きたい学校が見つかったとき、資金不足を理由に断念させてしまうのは避けたいものである。奨学金の利用なども選択肢の1つではあるが、学資保険を活用し、大学入学までにまとまった資金を準備できるようにしておきたいものだ。